中国・イタリア・オーストリアの壮観なクライミングルートと、純粋な登りを求めるボルダー

2020年12月10日に公開されたアーカイブニュースです。年齢、グレード、記録、ルートの状態、パリ2024への期待は、いずれも当時の状況を伝えています。

今朝も私たちは世界の岩壁へと窓を開き、すばらしい光景に出会いました。今日は山、クライミングエリア、岩のボルダーでこの一週間に起きた出来事を、活躍するクライマーや期待の新しい才能とともに、手短にお伝えします。

中国の9a+

The Clinicを知っていますか? 実は、中国で最も難しいスポーツクライミングルートです。浙江省のShangfangにあり、長さは35メートル、グレードは9a+。中国で初めてこのグレードが付いたルートでもあります。
クライミングコミュニティの人々と交流し、トップアスリート向けの施設として最もよく知られるクリニックの一つ、theclinic.internationalを訪れた後、35歳のスペイン人クライマーEdu MarinがThe Clinicにボルトを設置し、フリーで登りました(登攀動画はこちら)。

「平たいポケットがたくさん開いたグリュイエールチーズのようだ」。Marinはこのピッチをそう表現し、Facebookの投稿でこう付け加えています。「才能はインスピレーションに左右されるが、努力は私たち一人ひとりにかかっていると、ずっと思ってきた」。
Marinが中国で開拓したルートはこれが初めてではありません。国内で数多くのルートを開いており、その一つがGétûの谷にあるValhallaです。グレード9a+の、世界で最も強く前傾したマルチピッチルートです。

スポーツクライミングルートValhallaは、大アーチの「世界最大のルーフ」とMarinが呼ぶ、250メートルにわたる屋根状の岩を越えていきます。ルートの全長は380メートル、全部で14ピッチです。第5ピッチが9a+(ルーフを登る動画はこちら)、第8ピッチと第12ピッチが8c+となっています。

中国の大きな岩のルーフの下でThe Clinicを登るEdu Marin — 写真:Esteban Lahoz

イタリアに戻って、挑戦したい二つの新ルートを紹介!

最近、イタリアのクライミング代表チームのテクニカルディレクターLuca Giupponiが、San FeliceのクライマーMarkus Aufderklammとともに、ブレンタ・ドロミーティのCima UomoにDittatura Digitaleを、サルカの谷のRupe di Santa MassenzaにIo Penso Positivoを開きました。

一つ目のルートは、フリークライミングで進みながら開拓されました。第1ピッチにはコーナーと難しいスラブがあり、フットホールドは傾斜していて滑らかです。第2ピッチは前傾し、エッジや縦向きのホールドを使って進み、その先にはポケットをたどる見事なトラバースと、出口のスラブがあります。必須グレードは7bで、下降は整備されたビレイ点からの懸垂下降です。Dittatura Digitale では主にボルトが使われています。

Io Penso Positivoは約100メートルのルートで、Giupponiは「美しく、壮観だ」と表現しています。このルートもAufderklammと組み、二日間かけて下から開拓しました。7cと7c+のピッチには、特徴となる二つのルーフがあります。必須グレードは7a、下降は懸垂下降です。こちらのルートにもボルトがあります。

両ルートにはtotem cam(イタリア語の検索)が必要です。Io Penso Positivoには緑と黒を一つずつ、Dittatura Digitaleには赤までのセットを使います。
totem cam(イタリア語の検索)はTotemが設計・製造するクライミング用フレンドで、浅いポケットやクラックにも、二枚のカムローブだけで設置できます。柔軟性と優れた保持力を備えたこの取り外し可能なプロテクションは、あらゆる種類のクライミングで使用できます。

編集部注:メーカーは、二枚のカムローブだけに荷重をかけたTotem Camは、墜落を止めるためのプロテクションには適さないと明記しています。体重を支えられるのは、エイドクライミングの一部の状況に限られます。ここで紹介した装備や下降方法は2020年の記事に基づくものであり、ルートの最新ガイドではありません。

Io Penso PositivoとDittatura Digitaleのルートを描いたトポ

次はボルダー。オルコ渓谷へ向かいましょう

ここはトラッドクライミングと岩のボルダーで有名な場所です。42歳のオーストリア人ボルダラーBernd Zangerlは、愛好家の間で有名になった課題を見つけたことで、このオルコ渓谷でもよく知られています。例えばSelf Aperto 8A、Bravirabi 8A、I coloniali sd 8B/C、29dots 8A+などです。最新の発見はGrenzenlos、つまり「境界がない」という名のライン。高さ10メートルの壁を横切るクラックが特徴で、Zangerlはこれまで挑んだ中で最も美しく、最もワイルドな登攀の一つだと評しています。

クラッシュパッドの使用にはあまり積極的でないこのボルダラーは、Grenzenlosの出だしにフレンドを、最後には斜めに設置したpeckerを使って挑みました。
この登攀に思い切って挑戦したい人へのアドバイスは? どうやら境界を持たない心の、その限界を越えることです。

Grenzenlosを登るBernd Zangerlと、オルコ渓谷の岩壁の眺め

引き続きボルダーの課題を追って、オーストリアへ

オーストリアのMaltatalの谷には、2014年にNalle Hukkataivalが初めてフリーで登り、今回20歳のクライマーNicolai Uznikが再登した、グレード8Cのボルダーがあります。最も純粋なラインの一つとされるその名はBügeleisen、「衣服用アイロン」です。

一見滑らかな前傾壁には、小さなエッジとごく小さなフットホールドがあります。最後のセクションでボルダラーが使ったのは、ヒールフックと、手を置いたホールドへの足の置き換えです。出口の雪を取り除いたUznikは、驚くほど速い登攀でこのボルダーを完登しました。(登攀動画はこちら。)

Maltatalの森の前傾した岩、Bügeleisen sitを登るNicolai Uznik

飛んで下山する人たちも

Aaron DurogatiとSimon Gietlは、11月の好天を利用してAntelo、Wasserkopf、Hochgallに登り、パラグライダーで谷へ下りました。アルタ・プステリアをよく知るGietlは、南チロルのRauchkofelにある、まだ開拓されていない北壁にも挑戦することにしました。

必要な装備とパラグライダーを背負い、朝6時にCampo Turesを出発した二人は、壁に到着して登攀を開始しました。氷のセクションと岩の段差を越えて、11月29日に全長500メートル、難易度M5の新ルートが誕生しました。登攀にはクランポン(イタリア語の検索)とアイスアックス(イタリア語の検索)、フレンドのセット(イタリア語の検索)、ピトン(イタリア語の検索)が必要で、壁には何も残されませんでした。

Leeのラインが描かれたRauchkofelの雪に覆われた壁と、岩と氷を登る登山者

2024年:クライミングがパリへ

パリ2024オリンピックでもスポーツクライミングが実施されます。IOC Executive Boardがこれを確認しました。
新しい点は? これまでの複合種目がなくなり、各専門種目のための枠が生まれます。メダルの数は6から12へと倍増します。競技ではSpeedとLead-Boulderの複合種目が行われ、64人の選手が競います。
À bientôt!

編集部注:IFSCの2020年年次報告書では、パリ2024の予定選手数は、このページに残した原文にある64人ではなく、68人と記されています。当時発表された変更は、SpeedをBoulder-Leadの複合種目から分けることであり、複合競技をすべてなくすという意味ではありません。

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