適切なトレーニング強度を考える:Maruen Nadirへのインタビュー

イタリア語版の公開日は2020年4月21日です。隔離期間、レッスン、連絡先への言及は当時の状況を示しており、回答はMaruen自身の経験と意見を伝えています。

自重トレーニングは、クライミングを含むあらゆるスポーツの上達に役立つ運動です。最近、指導者や選手に再び注目され、ジムが閉まっていても体調を維持するための、とても重要な手段となっています。数日前には理学療法士のDaniel Destefanisにけがの予防について話を聞きました(記事はこちら、イタリア語です)。そのインタビューで名前が挙がったのがMaruen Nadirです。彼はすでに「クライミングに応用するカリステニクス」のパート1 とパート2で「この画面」に登場しています。



そこで、トレーニング、筋力強化、自重運動について、もう一度話を聞くのにこれ以上の機会があるでしょうか。



O: こんにちはMaruen、Oliunìdへお帰りなさい。調子はいかがですか。自宅ではどのようにトレーニングしていますか。


M: 皆さん、こんにちは!元気です。今回の隔離期間には、パートナーと、これから生まれてくる赤ちゃんのために、すべての時間を使うことができました。この緊急事態がなければ、Freespaceでの仕事があるので、そうはいかなかったでしょう。同時に、オンラインコーチングのスタートアップを立ち上げ、トレーナーのチームをつくっています。やることは相変わらず多いのですが、自宅にいながら取り組めるので、とても心地よい内面の穏やかさを感じています。


トレーニングですか。痛いところを突かれましたね。残念ながら家の広さに限りがあり、器具もないので、トレーニング前の準備はほとんど、あるいはまったくできません。その準備は、L5-S1部の離開、骨盤周辺の硬くなった筋組織のストレッチ、能動的な可動性の運動、体幹の安定性の運動から成ります。これはトレーニングで力を最大限発揮するための日課です。私は変性椎間板疾患があるので、8年前の外傷で傷めた背中の状態をさらに悪化させず、問題なくトレーニングできるのは、私の場合これらの方法だけです。ただ、カリステニクス、正確には人体の知識と各システムの相互作用への理解によって、自分の体を研究し、手術ではなく保存的な治療を選ぶことができました。準備の日課は絶対に欠かせず、寒い季節には30分から1時間かかるので、大変です。それでもこの数日は、手元にあるものを使う新しいやり方が見つかりつつあり、何か始められそうです。

 

 

O: 専門はカリステニクスの指導ですが、360°の総合的な準備をあなたに頼り、大きな効果を得ているクライマーが非常に多いと知っています。動作のバイオメカニクスは、どのスポーツでも常に同じと言えるのでしょうか。


M: そうです。どのスポーツにも絶対的に適用される原則がいくつかあります。優れたフィジカルコーチは、まず選手の動きを観察し、その後に対応を決めます。バイオメカニクス、生理学、解剖学の原則を使いますが、それだけではありません。残念ながら今も、講習で見たプログラム、トップ選手の運動、自分で試した取り組みを、その対象となる人を一度も分析せずに、そのまま与える指導者がよくいます。まず、その選手が無理なく取り組めるか、適しているかを、運動の内容と負荷量、強度の両方から考えるべきです。趣味の選手を指導する場合には、重大すぎる間違いではありません。いずれ結果は出るでしょうが、その時期が適切でなかったり、停滞が果てしなく続いたり、けがや組織の損傷を代償にしたりすることがあります。


一方、競技選手ではコーチの能力が決定的な役割を果たします。トップ選手は一般に、ほかより一段上のもの、その特定のスポーツに最適な状態をもたらす心身の素質を持つ人たちだからです。では、競技選手を指導するのは簡単と言えるでしょうか。いいえ、大きな責任を伴います。優れたフィジカルコーチは、仕事の第一の目的は成績ではなく、まず選手の健康を守ることであり、成績は二番目だと知っています。考えてみれば当然です。選手の健康が損なわれていれば、成績は低くなり、まったく発揮できなくなることさえあります。また、トップ選手同士の実力は非常に接近しています。長期的には、十分に準備のできたコーチだけが、自分の選手の結果に違いを生み出せます。



O: 私たちクライマーは、「自分たちにとっての拮抗筋」、例えば腕立て伏せやディップスで使う押す筋肉については、通常、理性的にセッションの強度を調整します。しかし指の筋力や前腕の屈筋となると、非常によく100%の強度で練習します。どう思いますか。より具体的には、ハングボードで限界まで追い込まなくても、岩場での上達は見込めますか。ここで「限界」とは、指が開くまでぶら下がること、あるいは、いずれにしても四秒未満のぶら下がりを意味します。



M: けがにつながる方法以外に、間違った方法はありません。ただし、効果の高い方法と低い方法はあります。今、どれが一番よいか答えてほしいと思っているでしょう。しかし答えはそれほど単純ではありません。最善の戦略は、仕立て屋の仕事のように、一人の人に合わせてつくるものだからです。最善の方法を組むには、選手のさまざまな面をできるだけ多く知り、そこから効果だけでなく効率もよい取り組みを設計する必要があります。


筋力については、体のある部分に別の部分より責任を負わせたり、最大筋力を語ったりと、誤った扱いが多いと感じます。まず、どの種類の力を求めるかを明確にすべきです。最大筋力、最大下の筋力、筋肥大に向けた力、筋持久力でしょうか。 次に、筋系は、相互に協調して働くさまざまな部分から成る、一つのまとまりだと理解する必要があります。したがって、いくつかの点を明確にせずに筋力を論じるのは間違いです。


クライマーやほかの競技の選手が、同じパターンで何か月も、人によっては何年も練習することがよくあります。これは明らかに間違いです。トレーニングの基本概念の一つである、変化あるいは慣れの原則を守っていないからです。この原則では、細胞が長期にわたり同じ情報を受けると、初めは反応しますが、その後は飽和して刺激に応じなくなります。今、起きているために必要なコーヒーの数と、10年前に十分だった数を考えてみてください!もう一つの例は薬です。一生にわたり治療を受ける人は、時間とともに用量を増やすことになります。これは慣れの原則によるものですが、細胞は細胞で、反応は似ています。筋組織は、それを構成する細胞に応じて働きます。

編集部注:薬の例は、すべての慢性疾患の治療に当てはまるわけではありません。一定の用量を維持する治療もあります。用量の変更は、処方した医師と相談して決める必要があります。



O: では、何をすればよいのでしょうか。用量を増やすのは適切な解決ではない、ということでしょうか。


M: はい、初めのうちは選択肢になり得ます。しかしその後は効果がなくなったり、同じ角度、同じ運動面で繰り返し負荷をかけた組織を傷めたりする可能性もあります。筋力の針は無限には上がりません。上がらなくなると停滞し、その後けがをします。両端が筋力と可動性であるロープを想像してください。ロープは巻かれています。筋力側の端を持って可動性側の端から離れていくと、しばらくは進めますが、やがて止められます。ロープが張り、もう一方の端が結ばれているからです。その場にとどまる、つまり停滞することも、ロープが切れるほど強く引く、つまりけがをすることもできます。あるいは、より賢い選択をして、結ばれた端、つまり可動性をほどき、ロープがさらに進めるようにすることもできます。


とても複雑な概念なので、それぞれに独立した記事を充てるべきだと分かっています。全部を詳しく扱ったら、この場で隔離期間をまるごと過ごすことになりそうですね、ははは。



O: まさにこの会話をしている今、ロックダウンをさらに三週間延長するという知らせが届きました。ジムがいつ再開するかも分かりません!選手の練習を引き続き見守るために、Skypeを通じた個人レッスンや少人数クラスのスタートアップを始めましたね。どのように行うのでしょうか。


M: はい、私たちらしい質の高いサービスで、お客様に提供する最善の方法を見つけるため、形式とやり方に一か月取り組んできました。 今は個人レッスンですが、4人または5人のクラスでも対応できるセッションをつくろうとしています。


3285976751までご連絡ください。これまでのことを少し伺い、動画をいくつか見せていただく必要があります。動作を分析し、強み、弱み、見落としている点を把握するためです。使える器具を教えていただいたら、始めます。この一か月でさまざまな方法を試しました。中には、注意を向けられる度合いや取り組みの質という点で、ジムでの練習以上に効果的だと分かりつつあるものもあります。



O: カリステニクスのようなことをまったくしたことがないクライマーでも、体操用リング、平行棒、TRX、あるいはバーで適切な練習を組むための助言が少し欲しい場合、あなたに相談できますか。どのようにすればよいでしょうか。

 

M: 私たちのFB、Instagram、ウェブサイト、Whatsappを通じて連絡できます。すべて運用中で、確認しています。メッセージが多いため返信が遅れることはよくありますが、必ず返事をします。連絡先はこちらです。Facebookページ calisthenics cuneo, Instagram calisthenics_cuneo_academy, Web calisthenicscuneo.it と Whatsapp 3285976751です。



O: ありがとうMaruen、またお会いしましょう!



カリステニクスとクライミング



2020年4月12日

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