2022年の記事を2026年に更新しました。 2022年春、フランスのクライマー Seb Bouin は、ヴェルドン渓谷の La Ramirole にある DNA を初登しました。このルートに対して提案したグレードは9cです。これは本人による評価であり、今後ほかのクライマーが再登すれば、支持されることも見直されることもあります。
Bouin が La Rage d’Adam の初登後、このラインにボルトを設置したのは2019年夏でした。La Ramirole の大きな洞窟には、彼が求めていた条件がそろっていました。ホールドが少なく、大きく張り出した壁を登る印象的なラインです。Black Diamond が公開した本人の記録(英語)では、初期の試登を、そもそもムーブが成立するのかを探る作業として振り返っています。
このプロジェクトは2020年、2021年も続きました。2022年春には、まず14日間にわたって DNA に取り組み、いったん帰宅してトレーニングした後、二度目の遠征で完登しました。Bouin は、ほかのどのルートよりも多くの時間と身体的な準備を DNA に費やしたと説明しています。
提案されたグレードを考えるときは、Bouin の得意なスタイルも踏まえる必要があります。彼は La Ramirole を10年以上知っており、ここで求められる登り方は自分に特に合っていると考えています。そのため DNA の評価に際して、ほかのクライマーにも挑戦してほしいと呼びかけました。非常に難しいルートのグレードは、独立した登攀者の意見が加わることで、より確かなものになります。
初登当時、9cを語るうえで歴史的な基準となっていたのは Adam Ondra の Silence でした。DNA は同じ難度のもう一つのルートとなる可能性がありましたが、その時点で「確認済みの二本目の9c」と呼べば、提案と検証を混同することになります。Céüse の Bibliographie も当初9cが提案され、その後9b+と再評価されました。再登がグレードの判断に果たす役割を示す例です。
表紙写真はヴェルドン渓谷の風景です。DNA を登る Bouin の姿を写したものではありません。











