アーカイブ — 初掲載:2019年2月6日。この記事は当時の状況を伝えるものです。ビレイ技術には、専門の指導者によるトレーニングと、使用する器具の取扱説明書が必要です。
適切にビレイできることも、「岩場でのスポーツクライミング」の一部です。屋外で過ごす一日に欠かせない役割であり、クライミングパートナーと楽しく、気持ちのよい時間を過ごすことにつながります。このテーマの一部は、以前の記事「岩場でのよいコミュニケーション(イタリア語の記事)」ですでに取り上げました。ただ、リードクライマーをできるだけ適切にビレイするには、ほかにも考慮すべき点があります。
誰にとっても大切な基本の筆頭は、注意を払うこととコミュニケーションです。ただし、クライマーの組み合わせに応じて、その場で判断しなければならない要素もあります。たとえば「体重」です。「ダイナミックビレイ」という言葉をよく耳にしますし、私たちもこちら(イタリア語の記事)で取り上げましたが、ビレイヤーがクライマーよりずっと軽い場合はどうでしょうか。まず、この場合のダイナミックなビレイは、クライマーが墜落するとビレイヤーを最初のクイックドローへと容易に「引っ張る」ことから生じる結果だと、十分に理解する必要があります。しかし、それだけで墜落や制動の衝撃がよく和らぐとは限りません。ルートの形状、核心部の位置、最初のクイックドローの位置を慎重に確認し、ビレイヤーがどの軌道でそこへ引かれるのかを考えることが不可欠です。
ルートがルーフや強くかぶった壁を通り、クイックドローがかなり高い位置にあると、ビレイヤーは地面から持ち上げられやすくなります。この場合、跳ぶ必要はありません。むしろ墜落距離を大きく延ばし、クライマーが地面に達するおそれがあります。そのため、重要な箇所を登る前に二人で確認しておくことが大切です。場合によっては、ビレイヤーが地面側のアンカーにつながることもできます。この点で危険が大きいルートの下には、ビレイヤーがランヤードなどでつながれる固定アンカーがあることもあります。ただし、アンカーへの接続はビレイヤーの動きを制限する可能性があり、墜落のリスクをなくすものではありません。もちろん、「ロープに体重をかけて座り込む」ように墜落を急に止め、柔らかく受け止められたかもしれない墜落を強い衝撃に変えてしまうことも避ける必要があります。つまり、より経験のある人の話にも耳を傾けながら、一緒に状況を判断することが大切です。
一方、ルートが垂直の壁にあり、クイックドローがまだかなり低い位置にある場合、ビレイヤーは前方の壁へ引かれます。石やバックパック、ロープそのものにつまずいて転ぶことを避けるため、岩場の下が片づいているかを確認し、危険になりそうな箇所を把握することがとても重要です。クイックドローの真下に必ず立つ必要はありません。パートナーの登りに合わせて動くことができますし、そうするべきです。張ったロープで登りを妨げないようにする、あるいは余っているロープの量が気になるほど増えたら壁に近づく、といった動きです。
ルートがルーフを越え、クライマーが「見えなくなる」と、姿を再び見るためだけに、岩場の下を半分ほど歩いてしまいがちです。もちろん、クライマーを目で確認することは大切です。しかし、パートナーが見えない場合に備えて、混雑した岩場でも理解できる「合図」をあらかじめ決めておく必要があります。念のために言うと、ロープを引く動作には共通の意味があるわけではなく、自動的にロープを出してほしいという要求だと解釈してはいけません。また、ロープがたるんでいるだけでは、クライマーがレスト地点に着いたことの証明にはなりません。登る前に二人でルートを確認し、注意を払い、すぐ対応できるようにしましょう。ただし、それを安全の保証だと考えてはいけません。
姿勢も重要な役割を果たします。跳ぶべきだと判断した場合でも、小さな半歩を前に出して墜落に合わせるだけの場合でも、常に墜落に対応できる姿勢でいる必要があります。ですから、ビレイ中に空いている手で間食するのはやめましょう。家族に電話する、動物をなでる、座ったまま、木にもたれて、あるいは見つけた別の楽な姿勢でビレイすることは、なおさら避けるべきです。
すぐに対応できることは、ロープを継続的にたぐり、出すことでもあります。クライマーにロープをまとめて「放り出し」、登るにつれてたるみが減るのを待つようなビレイはできません。明らかな理由から非常に危険なだけでなく、注意不足、受け身の姿勢、コミュニケーション不足という、してはいけないことをまとめたような行動です。ロープをクイックドローにクリップした後は、余分なたるみを管理し、その後、クライマーの登りに合わせて少しずつロープを出す必要があります。
この種のスポーツでは、指導者による専門的なトレーニングが必須であることを忘れないでください。また、各ビレイデバイスには、それぞれ専用の取扱説明書と、正しい使い方を示す公式のオンライン動画があります。ここで紹介するヒントは、こうしたビレイ技術を身につけるために、すべてのクライマーが資格を持つ指導者と取り組むべき学習と練習の過程の一部としてのみ受け止めてください。この記事は、すべてを網羅していると主張するものでも、スポーツクライミングのビレイに関する専門的なトレーニングの代わりになるものでもありません。そのトレーニングでは、資格を持つ指導者と自分の技量を確認する必要があります。
出典:Petzl(英語の資料)、 Vdiffclimbing(英語の資料)
credits: Brieuc Deléage
2019年2月6日











