イタリア語版の公開日が2020年4月9日のインタビューです。隔離生活や活動、提供されていたサービスへの言及は当時のものです。回答には、インタビューでDanielが述べた助言を掲載しています。
この時期にクライマーがトレーニングを続けたい、あるいは非常に集中的に取り組みたいと思っても、自宅にある器具に合わせて計画を立てる以外に方法はありません。本格的なボルダリングウォールを持つ人はごくわずかで、リングやTRXなどを持つ人もいます。ハングボードを持つ人はとても多く、自重トレーニングなら誰でもできます。ただし、ここには二つの問題があります。一つ目は、使える器具を変えられないまま、すでにほぼひと月が過ぎていること。二つ目は、難しいバリエーションの腕立て伏せやHollow Positionのような腹筋運動など、これまでしたことのない運動を始めた可能性が高いことです。そこで、理学療法士・オステオパスであり、カリステニクスの指導者でもあるDaniel Destefanisに、まさに今けがをしないためにはどうしたらよいのか、聞いてみました。
O:こんにちはDaniel。時間を取ってくれてありがとうございます。隔離生活はどうですか?自宅でもカリステニクスはできていますか?
D:皆さん、こんにちは!まず自己紹介をします。Daniel Destefanisです。理学療法士で、Madonna dell'Olmo(CN)にあるBDQ総合診療所の共同経営者です。私たちの診療所では理学療法を360°の視点から扱っており、予防も含まれます。残念ながら今は、自宅で過ごさなければならないこの隔離生活に関連して、助言を求める多くの質問が寄せられています。
皆さんと同じで、私にとっても隔離生活は厳しいものです。それでも、自分にできる範囲でなるべく何かに取り組み、身体と精神の両方の状態を確実に悪くするような座りっぱなしの生活にならないようにしています。カリステニクスですか?はい、自宅でも少しはできています。ただ、もっとできるはずです。今は維持すること、後退しないことを目指していますが、気分が最高というわけではありません。
O:トレーニングについては、皆が同じ制約に直面しています。大量のさまざまな器具を使って練習内容や計画に変化をつけられるジムを利用できません。たとえば何か月もエッジで激しく懸垂するように、いつも同じ方法で練習すると、けがの可能性が高くなるのでしょうか?それとも逆で、身体が運動に十分に適応することでけがのリスクが下がるのでしょうか?
D:二つ目の質問に答えるには、まずトレーニングの基本を考える必要があります。もう少し説明しましょう。今の状況では、いつも使っている器具を利用できないのは確かです。しかし、トレーニングを最適化するには、まずけがを避けなければなりません。それができるのは、どの種類の運動でもやり過ぎない場合だけです。どんな運動でも過剰に行えば、その言葉が示すとおり、身体は腱や関節の組織に変性を生じさせる可能性のある過程を通じて反応します。今日や明日に起こるわけではなくても、時間がたっても利益をもたらさない、初期の不調の土台を作ることになります。
クライミングであってもそれ以外でも、ジムに行って練習の成果を高めるには、組織を運動で刺激する必要があります。その運動は複雑でなくてよいのです。はっきり言っておきますが、複雑な運動だから筋力が向上するわけではありません。量を適切に調整し、できる限り動作をコントロールする必要があります。けがが増える原因は、単純な運動であっても、正しく実行できていないことにある場合が多いのです。懸垂では、肘を「締める」か「開く」か、握り方が逆手か順手かによって、組織にかかる負荷が大きく変わります。身体が負荷に適応するのは確かですが、その負荷は一人ひとりの能力に合わせて調整し、正しい動作角度を守り、何より適切なものでなければなりません!
O:私たちが間違って行いやすいのは、複雑な運動や、より大きな筋力を必要とする運動なのでしょうか?
D:必ずしもそうではありません。CuneoのジムFree Spaceのコーチで、私たち指導者を育成しているMaruen Nadirとともにイタリア各地で行う講習では、最も簡単な運動がしばしば間違ったやり方で行われています。どれほど多いか、想像できないと思います。考えてみてください。私と同じような教育を受けた人でさえ、簡単な運動を正しくできていると思いながら、実際にはできていないとしたら、時間がたち、さらにその運動を難しくしたとき、何が起こるでしょうか?だから、この厳しい時期には、皆さんに慎重に考えながら練習してほしいと思います。可能なら、資格を持つパーソナルトレーナーに遠隔で確認してもらうなど、正しい動作について助言を求めてください。オンライン指導も、適切に使えば悪くない手段です!
私からの助言はこうです。この時間を使って、基本からトレーニングの間違いを直してください。可能なら弱点も改善しましょう。ただし、簡単な運動を正しく行うことが大切です!ほかの面でも筋力が向上すれば、身体全体に良い影響があり、この状況が終わったときに、より進歩しやすくなります。早くそうなってほしいですね!ストレッチには特に気を配ることを勧めます!組織の弾力性が改善すれば、将来も含めたけがのリスクが低くなります!今この時期に時間がないとは言わないでください!
O:けがの予防を考えると、トレーニングの強度と量のバランスは、どのように調整すればよいのでしょうか?
D:これは、対象にする開始時点のレベルに本当に左右されるので、答えるのが非常に難しい質問です。別の質問で答えなければなりません。本人が設定したい目標は何でしょうか?筋力、持久力、筋肥大、柔軟性ですか?それぞれの目標に応じて、トレーニングの基本に含まれる指針に従う必要があります。そうして初めて予防に取り組めます!設定した目標に合った適切な計画がなければ、予防について語るのは本当に難しいのです。練習方法、そして練習量の調整については、私がとても尊敬する友人で専門家のMaruen Nadirが、理解を深める手助けをしてくれると思います。[Maruenとの対談も近日中に掲載予定です。編集部注]
O:多くのクライマーは、器具に使える自宅のスペースに合わせて、当然ながら新しい日常に適応しています。リング、TRX、パラレッツのように、すぐに設置したり片づけたりできる器具を再発見した人もいます。まったく新しい運動に初めて取り組み、もちろん指導者もいない場合、何か助言はありますか?
D:外傷の発生を防ぐ、あるいはけがをしないことが目標なら、新しい器具は、動作を修正できる人の監督の下でのみ使うことを強く勧めます。この時期には、Skypeを通じた個人レッスンを提供する指導者がとても多くいます。運動の進め方を教えてもらうことを勧めます。FreeSpaceもこの時期に体制を整え、練習を続けたい人や、使ったことのない器具でまったく新しい取り組みを始めたい人を、Maruenやほかの指導者の監督の下、完全に安全な状態で支援しようとしています。
O:では、肘にすでに警告のような兆候がある、あるいは背中に軽い筋肉のこわばりを感じるとしましょう。理学療法の診療所が再開するまでの間、何かできることはありますか?
D:身体に不調の兆候があるなら、トレーニングを続けることは絶対に避けなければなりません!痛みは、何かがおかしいと知らせる身体の言葉だと覚えておいてください!単純な筋肉のこわばりなら、数日間休み、温め、軽くストレッチすれば、状況はすぐに正常に戻ります。ただし、肘や肩の話であれば、状況はまったく違います!
こうした組織の痛みは、しばしば氷山の一角にすぎません。肘の痛み、つまり上顆部痛が出たときには、少なくとも、組織の血流を変化させる炎症過程がすでに生じています。それが、さまざまな経過をたどりうる変性の土台になります。そこで私の助言はこうです。鋭く脈打つ痛みがあれば、氷などの冷却療法を使い、組織を休ませてください。一方、痛みが鋭くなく、深く鈍く、あるいは強さもやや弱い場合には、負荷をかけないでください。その症状の背後にある問題は、かなり進行していることが多く、医療専門職や、私たちのような資格のあるスタッフによる評価が必要だからです。
編集部注:痛みが脈打つか鈍いかという特徴だけでは、原因や重症度は判断できません。臨床的な評価が必要です。回復までの時間はさまざまで、ストレッチだけでけがを予防できるとは限りません。
皆さんのお役に立てたことを願い、お別れのあいさつをします。全員、あるいはほぼ全員が自宅にとどまらなければならないこの困難な時期に、皆さん一人ひとりができるだけ良い状態で過ごせることを願っています。ぜひ練習してください。でも、やり過ぎないように!
Skypeによる個人トレーニングや少人数クラスについて詳しく知りたい方は、Facebook Calisthenics Cuneoのページをご覧ください!また、自分に合った器具を見つけるために、当店のトレーニングカテゴリーもぜひご覧ください!

2020年4月9日












