クライミングロープを傷める七つの要因

2022年2月のアーカイブ記事です。クライミングロープの寿命を予測するのは、ほとんど不可能です。フォール、トップロープでの登り、ほこりの多い場所での使用。その一つひとつが、強度や、とりわけ摩耗に何らかの影響を与えます。

だからこそ、ロープの「使用履歴」に加わる出来事を一つひとつ注意深く把握する必要があります。状態の点検とメーカーの取扱説明書を合わせて、ロープの状態を評価し、交換する時期を判断します。

ここでは、状態を悪化させたり使いにくくしたりして、寿命を縮める可能性がある多くの要因のうち、七つを紹介します。

ほこり

多くの岩場の下にあるほこりや土が、ロープの外皮の編み目に入り込むことは、つい軽視されがちです。クリップするときにロープを歯でくわえることを考えれば衛生的とは言えませんし、ビレイを繰り返すたびに生じる摩耗は、ロープの寿命を大きく縮める可能性があります。ロープバッグは土やほこりとの接触を大幅に減らします。ところが、一人がトップロープで登るとき、ロープバッグの利点が失われることがあります。クイックドローを通っている側の末端で登るためにロープを「入れ替える」と、バッグから出したロープが地面に集められてしまうのです。その場合は、上から引き下ろしたロープを受けるために、もう一つバッグがあると役立ちます。汚れの影響を抑えるには、メーカーの指示に従って洗い、乾かします。ぬるま湯を使い、認められている場合は適切な洗剤を使用し、熱源から離れた日陰で乾燥させます。ただし、洗濯してもすでに傷んだ繊維は修復できません。

湿気

ロープの処理についての記事では、撥水処理が繊維間への吸水を減らすだけでなく、耐摩耗性を高める場合もあると紹介しました。濡れたロープを扱ったことがあれば、雨、雪、氷にさらされる活動でDry処理のロープを選ぶ理由はよく分かるでしょう。濡れたロープは非常に重くなり、扱いにくさだけでなく安全性にも影響する実用上の問題が生じます。気温が下がれば凍りやすく、乾いた状態と比べて安全の余裕が大きく減ります。

ねじれと絡まり

道具をとても大事にするクライマーがトップロープを敬遠する理由の一つは、ロープにできる結び目やねじれです。「アンカーに逆向きに通した」といった、岩場でよくある口論の原因にもなります。セカンドで登る際、絡まりやループが生じて、登るリズムが何度も中断されることがあります。さらに、何とかして絡まりをほどこうとして、しばしば片手だけで作業するなど、非常に危険な状況になることもあります。

熱と日光

私たちはさまざまな装備に対する日光の影響を何度か取り上げてきました。Emanuele Pellizzariへのインタビューでは、クライミングシューズのラバーが熱から受ける影響を詳しく聞きました(イタリア語の記事はこちら)。ロープも同様に考える必要があります。装備の入ったバッグを車のトランクに置き忘れた経験は、多くの人にあるでしょう。問題は、それが習慣になることです。EDELRIDがウェブサイトのKnowledge Baseで説明しているように、日光は外皮の色を褪せさせるだけでなく、繊維を硬くし、弾性を失わせる場合があり、岩場での使用に危険をもたらします。ルートに数日間ロープを掛けたままにする、洗ったロープを日なたで乾かす、長時間車に放置するといった状況には特に注意が必要です。外皮の色の変化は、状態を確認する最初のきっかけと考えましょう。

摩擦による損傷

ロープがほかのロープや繊維製品と擦れると、クライマーにとって非常に危険な摩擦熱による損傷が生じることがあります。ルートが近接した混雑する岩場では、二人が同じ終了点を使う別々のルートをリードする場合があります。このとき、二本のロープを同じアンカーリングに通してはいけません。この危険は比較的よく知られていますが、速すぎるロワーダウンやトップロープ時など、ロープがビレイデバイスを高速で通過する際の損傷は軽視されがちです。ロープと金属の摩擦で繊維が過熱する危険は、ロープと繊維製品の摩擦より低いものの、例えばGRIGRIをロープが高速で通る場合にも危険はあります。損傷した部分は、外皮が硬くなり、表面が不自然に滑らかになった箇所として見つかることがあります。

鋭いエッジ

これは「機械的」な要因です。ロープが鋭いエッジを擦ると、摩耗や切れ目が生じ、修復できない損傷になる場合があります。スポーツクライミングでは、オーバーハングの後にマントルがあるルートをトップロープで登るときなどに起こり得ます。アイスクライミングやアルパインの状況では、さらに注意が必要です。ルートのラインだけでなく、アックスやクランポンといった使用する装備にも目を向け、運搬時にはロープと接触させないようにしましょう。

化学物質

化学物質による汚染は機械的な摩耗とは別の危険で、軽視できません。車のバッテリーの酸は、見た目に分かる痕跡がなくてもロープを深刻に損傷させる場合があります。接触したロープは交換が必要です。エンジンオイルやほかの化学物質も、装備から離して保管します。ガレージに装備を置く場合は、棚に並ぶ自動車整備用品から十分離しておきましょう。EDELRIDは、ジムで使用されたレンタルロープなどの繊維製装備に使う消毒剤の影響について、詳しい研究を公開しています。複雑なテーマなので、詳しくはEDELRIDのウェブサイトにある元の記事をご覧ください。

出典:EDELRID、UIAA

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