クライマーにとってVibramは、クライミングシューズのソールと、小さな足場に立ち込むときの信頼感を連想させる名前です。そのラバーコンパウンドは、アプローチシューズ、トレッキングシューズ、その他のアウトドア用フットウェアにも使われています。ブランドの歴史は登山、スポーツクライミング、作業用および日常用の靴にまたがります。用途ごとに、グリップ、サポート、耐久性の異なるバランスが求められます。
Vibram®の始まり

登山用の最初のVibramソール、Carrarmatoは、1937年にVitale Bramaniが設計し、特許を取得しました。その研究のきっかけとなったのは、1935年にPunta Rasicaで6人の登山者が亡くなった事故です。Bramaniは悲劇の一因を不適切な靴に求め、岩場用の軽い靴のグリップと鋲付き登山靴の丈夫さを併せ持つソールを模索しました。重い鉄の鋲をラバーの突起に置き換え、1937年にはEttore CastiglioniとともにPizzo Badileの北西壁で初期のCarrarmatoソールを試しました。
1954年、Ardito Desioが率い、CAIが後援したイタリア隊は、世界で2番目に高いK2の初登頂を果たしました。Achille CompagnoniとLino Lacedelliが7月31日に山頂へ到達しました。隊は、アプローチから高所キャンプへの移動まで、行程に応じて異なるVibramソールを備えたDolomiteの登山靴も使用しました。これは登山史とVibramソールの普及における重要な節目です。

Vibram Grip:フリークライミングのためのソール
Carrarmatoの後、Vibramは安全靴を含むさまざまな用途のソールを開発しました。フリークライミングの発展に伴い、小さな足場でも精度を保ちながらグリップするラバーが必要になりました。Vibramは1988年、この競技のための高グリップなラバーソールとしてGripを発表しました。
1988年は競技クライミングにとっても発展の年でした。第3回SportRocciaではDidier RaboutouとCatherine Destivelleが優勝しました。その前年の1987年には、Wolfgang GüllichがFrankenjuraのWallstreetを初登し、広く世界初の8cと認められています。こうした出来事は、スポーツクライミング用の装備が進化を続けていた当時の背景を物語ります。
クライミングラバーの研究は、特性の異なるコンパウンドへと続きました。XS Edgeは小さな足場でのサポートを重視し、XS Grip 2は特に足にかかる圧力が低い場面でのグリップを重視します。どれを選ぶかは、シューズ、岩や壁の状態、足への荷重のかけ方によって変わります。
XS Edge:小さな足場を支える
Vibram XS Edgeは、ごく小さな足場でも体重を支えられるよう開発されました。変形しにくいため、足への荷重が増してもソールの形状と安定性を保ちます。Vibramによると、硬めのシューズとフルレングスのソールとの組み合わせで最も性能を発揮します。そのため、細かなエッジで正確な足運びが必要なテクニカルルートに向いています。Vibramがこの技術を採用するモデルとして挙げているのは、La SportivaのKatanaとSCARPAのVapor Vです。ただし、素材や構造はモデルの仕様や製造年によって異なる場合があります。

XS Grip 2:低荷重の足場でのグリップ
Vibram XS Grip 2は、XS Gripから発展したコンパウンドです。丸みのある足場や緩傾斜のスラブ、オーバーハングのように足への圧力が低い場面でもグリップするよう設計されています。Vibramは、特に柔らかいシューズや高いグリップが求められる課題に推奨しています。同社が挙げる例には、La SportivaのSolutionとSCARPAのFuria Sがあります。ここでも、実際のシューズに使われているコンパウンドは、そのモデルの仕様と製造年を確認することが大切です。

Megagrip:乾いた路面と濡れた路面でのグリップ
Vibram Megagripは、乾いた地面でも濡れた地面でもグリップし、耐久性と安定性・柔軟性のバランスにも配慮したアウトドアシューズ用のコンパウンドです。Vibramはトレッキング、ハイキング、トレイルランニング、マウンテンバイク向けに提案しています。ただし靴を選ぶ際には、ソールのトレッドパターン、靴の構造、歩く地形も考慮する必要があります。
IdrogripはMegagripとは別のVibramコンパウンドで、濡れた屋外環境や湿った岩でのグリップを目的に開発されました。Vibramは、テクニカルなアプローチや易しいクライミングなどにも適すると説明しています。Megagripを採用するすべての靴にIdrogripも使われているわけではありません。特定のモデルがどのコンパウンドを使うかは、該当する仕様と製造年のメーカー資料で確認してください。

Ecostep Recycle:製造時の端材をコンパウンドへ
クライミングラバーだけがVibramの研究分野ではありません。1994年、同社は製造時の端材を新しいソールに利用するEcostepを導入しました。現在のEcostep Recycleという名称は、製造工程で回収したVibramの再生ラバーを含むコンパウンドを指します。
VibramはEcostep Recycleを、ソールへの再生ラバー利用における先駆的なコンパウンドの一つと位置づけています。後継のEcostep Recycle EVOは、従来品と比べて耐久性と乾いた路面・濡れた路面でのグリップを改善するために開発されました。主な用途は、都市部や乾いた路面で履く靴です。
Vibramの技術資料によると、Ecostep RecycleとEcostep Recycle EVOには、Vibramの再生ラバーが少なくとも30%含まれます。この数字はコンパウンド中の再生素材の割合であり、会社全体の廃棄物が同じ割合で減るという意味ではありません。Vibramには遊び場やクライミングジムの床材にラバーを再利用する別の取り組みもありますが、それはEcostep Recycleソールの組成とは別の話です。
リソールと靴の長寿命化
VibramはRepair If You Careプログラムを通じて、ソールが摩耗したらすぐ靴を買い替えるのではなく、修理して使い続けることを勧めています。認定された靴修理職人のネットワークが、スポーツ用や日常用を含むさまざまな靴のリソールに対応しています。ただし、特定の靴をリソールできるかどうかは、その構造と状態によります。資格のある専門家に確認することをお勧めします。
その後のコンパウンドにはVibram XS Flash 2もあります。小さな足場や低温下でもグリップし、インドアクライミングにも対応するよう開発されました。Vibramがクライマーの具体的なニーズに合わせてコンパウンドを調整している、もう一つの例です。











