アーカイブ:イタリア語記事の公開日は2019年6月14日。
初めて岩場で登ると、とても独特な専門用語の世界に足を踏み入れることになります。助言や指示を聞いても、目の前のルートにどう当てはめればよいのか分からないこともあるでしょう。この多彩な用語には、「不確実なムーブ」「避けて通れない核心部」、例えば「フリクションクライミング」といった表現があります。

Andrew Burr, Patagonia
フリクションクライミング
こうした表現は、たいてい簡単な登りを予感させません。特に「フリクションクライミング」と言われたら、ホールドも、まして足を置く場所もないように見えるスラブや傾斜の緩い壁のルートを指しています。終了点まで進むには、力よりもバランスを頼りに、技術と身体の動きを駆使して各ムーブをこなすことになります。スラブの登りは「感覚で登る」とも、もっとくだけて「卵の上を歩くように登る」とも言われます。そのたとえから、足で登り、ごく小さな凹凸に全体重を預けることを信じなければならない様子が思い浮かびます。
想像できるように、この種の登りは今ではあまり流行していませんが、’80年代や’90年代には大人気でした。そのため、こうしたルートを「オールドスクール」と呼ぶ人もいます。Buouxのような歴史ある岩場で登れば、これらの表現が岩の上で形になること、そして当時の慣習どおりボルトの数がそれほど多くないことがすぐに分かるでしょう。ボルダリングも、このようなムーブが存在するという厳しい現実からは逃れられず、時にはかなり高い場所にあります。Fontainebleauで試せば実感できます!

Alexa Flower, Patagonia
スラブを登るためのよい技術
スラブを進むには、状況に合わせて調整する一般的な指針があります。直感的でも自然でもないと感じるかもしれません。生存本能は岩に身体をべったり寄せるよう促しますが、上体をおおむね垂直に保ち、腕を伸ばすのが理想です。そうすると、次のホールドを広く見渡せ、姿勢も楽になります。かかとは下へ向け、膝を軽く曲げて、バランスと重心の位置を整えます。安定性を高めたいときは、膝を岩に押し当てることもできます。
足の移動を惜しまないこと。スラブは、手の位置に足を寄せる動き、両手のダイノ、限界まで伸びるムーブなどの極端な動きに適した場所であることはめったにありません。ただし、最後のような大きな伸びが時には必要になることもあります。できるだけ多くの足場や中間の足位置を使い、重心を少しずつ移し、大きな動きでバランスを崩さないようにするのが理想です。

Sam Bié Patagonia
垂直な壁を登るにはどんなクライミングシューズ?
スラブでは、適切なシューズ選びが重要です。足が「止まっている」という感覚が、次の小さな一歩を出す自信につながるからです。そこで、適度なダウントゥと強すぎない左右非対称形状を備えた、快適なシューズがよいでしょう。ホールドがないように見えるルートの終了点へ着くまでの時間は、たいてい無限に等しいので、その時間を耐えられるようにするためです。硬さは各クライマーの経験や習慣によって変わります。一般に、柔らかいシューズは感覚をつかみやすい一方でふくらはぎが疲れやすく、硬いシューズは足裏を支えるのに適しているとされています。
こうしたルートでは精神面も重要です。スラブでは、前にも後ろにも進めなくなり、ふくらはぎが震え始め、ボルトが嫌な位置、つまり足より下にあるという典型的な状況に陥りがちです。そんなときこそ、自分の中の戦士を呼び覚まし、次のムーブに挑んでみましょう!
すべての写真はPatagonia、カバー写真はBrent Doscherによるものです











