ボルダー課題のセッターに言わないほうがいい7つの言葉

脚立、電動ドライバー、ボリュームの扱いは、ボルダー課題をセットする仕事の一部にすぎません。面白い課題を作るには、経験や創造力、ムーブを見極める力、さまざまなスタイルを考える力が必要です。登る力も役立ちますが、それだけでは足りません。セッターは体格や得意分野が異なる人の意見も取り入れ、課題を設計し、試し、調整します。

ジムに通う人は、新しくセットされた課題について何かしら感想を持つものです。具体的で敬意のある意見は役立ちますが、手間のかかる仕事を軽く扱ってしまう言葉もあります。壁を新しくしてくれる人たちへの感謝を込め、そんな言葉を7つ、少しユーモアを交えて紹介します。

FASIの大会の壁の前でボルダー課題について話す3人

ボルダー課題のセットと確認。FASIのアーカイブ写真。

「セッター自身は完登したの?」

セッターが作った課題をすべてスタートからトップまで完登する必要はありません。一つひとつのムーブや一連の動きを確かめ、ほかの人にも試してもらい、その意見に応じて調整できます。登れそうにない課題に出会ったら、挑発するより、どんな登り方を想定したのか尋ねるほうが建設的です。大会の課題も、選手が挑む前に設計とテストが行われます。

「難しい色の課題より、こっちのほうが簡単そう」

色やグレードは難しさの目安で、誰にとっても同じ感覚になるわけではありません。スタイルの異なる二つの課題が、表示と逆の難しさに感じられることもあります。技術、柔軟性、筋力、その動きへの慣れが関係するためです。大きな差を感じたら、自分の順位づけを押しつけるより、どのムーブに驚いたかをセッターに伝えてみましょう。

「核心の位置を変えられない?」

核心がもっと低い位置や高い位置、あるいは壁の別の場所にあれば楽に感じるかもしれません。しかし、その位置もセッターが考えた一連の動きの一部です。なぜ難しく感じるかを説明することは、特に安全性やアクセスのしやすさに関わる場合に役立ちます。好みに合わないという理由だけで移動を求めても、課題そのものについてはあまり伝わりません。

「スタートが低すぎて、トップが高すぎる」

シットスタート、ヒールフック、高いトップには、自分の好みと違っても課題設計上の意図がある場合があります。人工壁の形状や傾斜は、岩とは異なる選択を求めます。考えたいのは、対象となるクライマーにとって面白く、安全に登れる課題かどうかです。高さや距離のために動きが届かない、あるいは危険になるなら、具体的に伝える価値があります。

大きな赤いボリュームのある大会課題で動く選手

大会のボルダー課題。FASIのアーカイブ写真。

「降りるためのホールドを付けてくれない?」

この質問は大切な意見になることがあります。課題から降りるのは、特に初心者にとって簡単とは限りません。下降用ホールドや隣の課題を使える場合もありますが、どこにでもあるわけではありません。安全な降り方をスタッフに確認し、ジムの指示に従い、可能なら高い位置から飛び降りずにクライムダウンしましょう。降りにくさをセッターに伝えることは、壁の改善につながります。

「見れば分かる。あのムーブは身長次第だ」

遠く見えるムーブでも、背の低い人には必ず不可能とは限りません。技術や動きの順序によって解決できる場合があります。一方で、身長、リーチ、可動域の違いが本当に影響することもあります。まず試し、どこで難しくなるかを説明し、ほかのクライマーの意見も聞けば、早合点より役立つ情報をセッターに伝えられます。ホールドに届かない、落ち方が危険だと感じた場合は、真剣に受け止めるべきです。

赤い壁に設けられた大会課題のトップを保持する選手

大会のボルダー課題のトップ。FASIのアーカイブ写真。

「途中を飛ばして登れそう」

課題の一部を「飛ばす」とは、想定された動きの一部を省き、別の方法で先のホールドに届くことです。予想外の解決方法を見つけるのは楽しく、セッティングとの対話にもなります。ただし試す前に、周囲の空間、マット、落下の可能性を確認しましょう。その近道は、セッターがすでに試しているかもしれません。もし成功したら、会話はいっそう面白くなります。

青と黄色のボリュームのある大会課題に挑む選手

大会のボルダー課題。FASIのアーカイブ写真。

表紙写真:Giovanni Danieli / Davide Terenzi、2022年イタリア・ボルダー選手権。記事内写真:Giovanni Danieli / Davide Terenzi、イタリア・ボルダーカップ第3戦、FASI Flickrアーカイブ。

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