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2024年4月7日
スポーツ・トラッド・アルパインで使うクイックドローの選び方


アルパインクライミング。写真:Ben Tibbetts / Edelrid
クイックドローはロープやハーネスと同様、安全を支える装備です。どのような登り方に使うかを考え、時間をかけて選ぶ価値があります。
クイックドローを含む確保用装備の使用には、専門的な講習とメーカーの指示に従うことが必要です。支点側のカラビナは自由に動ける状態にし、ロープ側のカラビナは対応する固定具で安定させることができます。ロープ側カラビナのゲートは進行方向と反対側に向け、ロープは岩側から入り、外側へ出るように通します。クイックドローやロープの位置が誤っていると、ロープが外れるおそれがあります。このガイドは製品比較の助けになりますが、資格のある指導者による実地講習に代わるものではありません。
では、装備を見ていきましょう。クイックドローはスリングでつながれた2つのカラビナで構成されます。カラビナの形状やゲート、スリングの仕様にはさまざまな違いがあります。自分の登り方に合うモデルの選び方を見ていきましょう。


写真:Martin Poetter / Edelrid
カラビナのゲート
クイックドローを比べるとき、ゲートは最初に目につく特徴の一つです。ワイヤーゲートとソリッドゲートは見た目が異なりますが、外観や重量だけで選ぶものではありません。それぞれ異なる用途に適しています。
ソリッドゲート/ソリッドゲート


この組み合わせでは、支点側にストレートゲート、ロープ側にクリップしやすいベントゲートを使うことが多くあります。重量の優先度がアルパインより低い場合のあるスポーツクライミングの岩場でよく見られます。向きは必ずメーカーの指示に従ってください。ゲートの形だけでは、ルート上での正しいクイックドローの位置は決まりません。
ソリッドゲートのカラビナは、初心者にも扱いやすい場合があります。KeylockやCatch-Freeのようなノッチのないノーズ形状は、操作中にカラビナ、ロープ、スリングが引っ掛かりにくくするものです。衝撃や振動、岩との接触でゲートが開くことを防ぐものではありません。ゲートが正しく閉じることを必ず確認し、メーカーが示す強度を比べてください。
ソリッドゲート/ワイヤーゲート


異なるゲートを組み合わせたモデルでは、支点側がソリッドゲート、ロープ側がワイヤーゲートになっているものがあります。ワイヤーゲートは質量が小さく、衝撃時に慣性で一瞬開く現象を減らせる場合があります。また、氷による固着が比較的起きにくいこともありますが、危険がなくなるわけではありません。アルパインやミックスルートで役立つ構成です。メーカーの指示どおりに組み立てと向きを確認してください。
ワイヤーゲート/ワイヤーゲート


両側がワイヤーゲートのクイックドローは軽量なものが多く、長いルートやアルパイン、トラッドで多くの装備を持つ人に向いている場合があります。ただし実際の重量はカラビナの大きさとスリングにも左右されます。操作感はモデルごとに異なるため、適切な指導の下で開閉とクリップを練習してから選んでください。
スリング
ナイロン
ナイロンは縫製スリングによく使われる素材です。柔軟でDyneemaより伸びがありますが、落下時のエネルギーを主に吸収するのはダイナミックロープです。各スリングの表示強度と認証を確認し、メーカーの説明に従い、縫い目、縁、摩耗の兆候を定期的に点検してください。
Dyneema
Dyneema製スリングは軽くてかさばりにくく、用途によっては摩耗にも強いものです。一方、ナイロンより伸びが少なく、融点も低いため、摩擦や熱源を避け、荷重のかかったロープをスリングに直接通して滑らせないでください。どの素材も切り傷、摩耗、風雨、縫い目の損傷を免れるわけではありません。用途に合わせて選び、メーカーの指示に従って使用を中止してください。


重量
クイックドローの重量は、カラビナ、スリング、長さによって大きく変わります。各モデルの仕様を確認してください。アルパイン、長いルート、トラッドなどで多くの本数を携行する場合は重要な要素ですが、扱いやすさ、表示強度、用途も考慮しましょう。
スリングの長さ
長さはモデルにより異なり、12、17、25 cmなどが一般的です。長いスリングは曲がるルートやルーフを越える場面でロープの流れをよくする場合がありますが、ルートのラインと落下時に起こりうる動きを考えて選び、配置してください。トラッドでは、ロープの抵抗やプロテクションの動きを抑えるために伸長式クイックドローも使いますが、専用の技術が必要です。個別の説明書に従ってください。Petzlはこの構成に同社のSTRINGを取り付けないよう警告しています。
スリングの幅と厚み
幅広のスリングは一部の人工登攀の動作で握りやすく、細いものはかさと重量を抑えられる場合があります。幅と厚みは別の寸法で、モデルによって異なります。幅が広ければねじれないと考えず、荷重をかける前にカラビナとスリングの位置を必ず確認してください。


主軸方向の強度
主軸方向の強度は、ゲートを閉じたカラビナを長さ方向に荷重したときの値です。EN 12275に適合する基本型カラビナの規定最小値は20 kNですが、各製品の刻印と認証を確認してください。ゲートやノーズがボルトハンガー、岩、ほかの物に当たって位置を変えられないよう、本来の方向に荷重される状態にします。
短軸方向の強度
短軸方向の強度は横向きの荷重を示し、主軸方向よりはるかに不利です。危険はゲートが地面と平行かどうかだけでは決まりません。ボルトハンガー内での回転、岩との接触、挟まりによって異常な荷重が生じます。クイックドローの向きを確認し、横荷重を避けてください。強度表示が高くても誤った配置が安全になるわけではありません。
ゲート開放時の強度
ゲートが開いているカラビナの強度は、閉じている場合より低くなります。EN 12275に適合する基本型カラビナのゲート開放時の最小強度は7 kNですが、正確な値は製品の刻印で確認します。衝撃や岩・支点との接触でゲートが開いたり、損傷で閉じにくくなったりします。使用前に閉鎖状態、摩耗、配置を確認し、正常に動かない部品は使用を中止してください。
ロープ側の固定具
設計に含まれる対応したスリング固定具は、ロープ側のカラビナを安定させ、スリングのループを摩耗から守ることがあります。取り付けるのはロープ側だけです。支点側のカラビナは自由に動く必要があります。1本のクイックドローに固定具を2個付けないでください。硬くなりすぎて危険な配置につながる場合があります。メーカーの指示に従い、カラビナがスリングのループ自体を通っていることを必ず確認してください。
クイックドローは複数本のセットでも販売されています。Camp、Kong、Wild Country、Petzlなどのブランドでは、モデルや取り扱いによって本数や仕様が異なります。単品と価格を比べる前に、スリングの長さ、カラビナの種類、認証、登るルートに必要な本数を確認してください。
ここまででクイックドローの主な特徴が分かりました。商品カテゴリーもご覧ください。
表紙写真:「Scot on the rocks」。スコットランドの岩場を登るRobbie Phillips。撮影:Jeremiah Watt / Patagonia。











