2022年3月、Coppa Italia Boulderの第1戦では、わずかなミスも許されませんでした。激しい争いとなった決勝では、トライ数によって上位の順位が決まりました。少しでも迷えば大切なポイントを失いかねない状況でしたが、Pietro Biaginiは動じることなく、素晴らしい登りを見せたMarcello Bombardiと、同じく絶好調のDavide Marco Colomboを抑えて優勝しました。
このインタビュー当時、Pietro BiaginiはボルダリングのナショナルBチームに所属しています。いつも好調な外岩だけでなく、競技でも自分の可能性を最大限に発揮したいという強い気持ちを持っています。その思いが登りにも表れています!

写真 Giovanni Danieli/ Davide Terenzi, FASI flickr
こんにちはPietro、ブログへようこそ!調子はどうですか?今はどこにいますか?
皆さん、こんにちは!とても元気です。もうMilanoに戻って、間もなく開催される次のPratoでの大会に向けて、ルートセットとトレーニングをしています。Milanoはとても刺激的な環境で、ジムも多いし、一緒にトレーニングできる意欲的な友人もたくさんいます。
今回の優勝は本当に見事でした。選手の皆さんにかかるプレッシャーが、控えめに言っても「高い」決勝でしたね。「舞台裏」の雰囲気はどうでしたか?
そうですね、最後の課題まで誰が勝つか分からない決勝でした。ただ、最初のスラブを2回目のトライで完登できたことで、かなり精神的な自信がついたのも確かです。それに最近よく言っているのですが、最初の課題をフラッシュできれば、いい大会にするのは「簡単」なんです! ;)
僕たちの間の雰囲気は、皆さんが思うよりもリラックスしています。皆とても仲がよく、普段から一緒に登ったりトレーニングしたりしていて、これまで何度も同じ決勝を経験しています。誰もが勝ちたいと思っていますが、ほかの選手の成功も皆が喜びます。本当にいい環境で、そこにある緊張感は最高の種類のものです。全力を出すために必要な、ちょうどいい緊張感ですね。

Val MasinoのRe dei Lemuri 8A+。写真 Stefan Scarperi
あなたは本当に小さな頃から岩の上で育った選手の一人で、Varazzeは第二の故郷だったと言えますね。Christian Coreという目標になる存在がいて、彼のボルダーがすべて身近にあったことは、クライマーとして成長するうえでどれほど重要でしたか?
間違いなく僕は岩で育ちましたし、初めてクラッシュパッドの上に落ちた場所もVarazzeです。最初から「Gioia」の下へ巡礼に通うようになりました。
Paul Robinsonに会ったときのことは、今でも覚えています。彼はイタリアに着いたばかりで、そのまますぐVarazzeへ来ていました。僕のプロジェクトで一緒に登ったあと、彼はまだクラッシュパッドを一つしか持っていなかったので、父と一緒に「Gioia」の下まで案内しました。当時、父はいつも僕を支え、付き添ってくれていた存在です。そこで、僕のパッドの一つを使って彼がスタンドスタートを登るのを見ました。
その日以来、ずっとあのラインを登ることを夢見ていました。2019年まで待つことになりましたが、今でも自分の登りの中で最も「誇り」に思うものの一つです。その後も何年にもわたって、Lilliputの「Nem」やFuturamaの「Red Dragon」など、Christianの隠れたラインをいろいろ探してきました。でも、Varazzeの森で彼が開拓した難しいラインは数え切れないほどあるので、この探求が終わることはないでしょう。
Piemonteにもよく行っていますね。そこもChristian Coreが素晴らしいボルダーを残した地域ですが、あまり知られておらず、再登はさらに少ない課題もあります。いつも喜んで戻りたくなるエリアはどこですか?
両親と僕はAlpi Marittimeの麓に家を持っていて、幼い頃からCuneo県で登ったりスキーをしたり、何よりボルダリングをしたりして、いつも多くの時間を過ごしてきました。Coreがこの地域に与えた影響は大きく、それに導かれて、再登は少なくても、とても価値の高いラインを探してトライするようになったのだと思います。
Christianは一つのブランドのような存在で、彼の初登はいつも高い質と難しさを意味します。Valle Gessoの「Bellerofonte」を登ったことと、その隣のライン「Bad fish」にトライしたことは、今でもとてもいい思い出です。近いうちにまた戻るプロジェクトの一つであることは間違いありません。
全体としては、Pian della casaのエリアにもとても愛着があります。両親や友人と、登ったり歩いたり、ボルダリングをしたりして、たくさんの時間を過ごした場所です。Alpi Marittimeが大好きですが、最近はMilanoから近いのでTicinoで登ることが多くなっています。それでも、あそこへ戻るのは家に帰るような感覚ですし、いつも何か難しいラインが待っていると分かっています。

写真 Giovanni Danieli/ Davide Terenzi, FASI flickr
大会で具体的な結果を出すことを目指して、専門的なトレーニングに取り組み始めたのは何歳頃ですか?
僕の競技歴は少し変わっています。最初は何年もの間リードをやっていましたが、2019年頃に完全にボルダリングへ転向しました。突然、予想外の身体的な「変化」が起こって、それまで以上にロープでのパフォーマンスを上げられなくなったからです。もっとも、それまでもリードの準備としてずっとボルダリングをしていましたし、国内外の大会にもたくさん出ていました。ただ、大きな期待を持つことはなく、この種目のための専門的なトレーニングもあまりしていませんでした。
つまり、さっき話したように体重がかなり増えたんです。数か月のうちにリードの成績が悪くなる一方で、ボルダリングの成績は室内でも外岩でもよくなっていきました。それで、方向を完全に変えてボルダーに集中しようと決めました。後悔はしていませんし、とても多くの満足を得られた選択です。
質問に戻ると、正確な年齢を答えるのは難しいですね。僕はクライミングとモビリティに多くの時間を使っていて、一般的なフィジカルトレーニングはせず、キャンパスボードやハングボードのような、極めて専門的なものだけを行っています。けがを避けるため、いつも量は少なめで、週に最大3回です。僕の体重だと体に大きな負荷がかかるので、かなり気をつける必要がありますし、いつもしっかりウォームアップしています。
確かに、強傾斜でパワーと瞬発力を求められるボルダーはあなたの得意分野に見えますが、最近はテクニカルな課題もそれほど苦にしていないようですね。僕たち皆がジムでやってしまうように、どうしてもトレーニングする気が起きず、避けようとしてしまう登りのスタイルはありますか? ;)
実は、その点ではここ数年で逆転がありました。最近は強い傾斜よりも、垂直や少しだけ傾斜した壁のほうがとても快適です。とはいえ、自分ではかなりオールラウンドだと思っていますし、強傾斜でもいつもうまく力を発揮できます。ただ、体重と身長のせいで、ある程度以上の傾斜になると腰を壁に近づけておくのがとても難しくなります。
少し前なら、足使いと繊細な感覚が必要なスラブと答えたと思います。でも最近は、かなり上達したと感じていますし、大会でも外岩でも、そうした課題を怖がらなくなりました。この数か月、そのスタイルにかなり取り組んできて、今のところ結果はよいですね。
大会では、コーディネーションのジャンプがいちばん好きなスタイルで、自分が最もうまく力を発揮できるものでもあります。

SiuranaのMarihuana 8a。写真 Pietro Vidi
Instagramのプロフィールを見たら、最近スペインの岩場へ登りに行っていましたね。ロープを使うクライミングとは、どんな関係ですか?
間違いなく、葛藤のある関係ですね。正直に言うと、リード、特に強傾斜で持久力を求められる登りは楽しくありません。むしろ最近は、特にあまり調子がよくないとき、もどかしく感じます。
でも、垂直の壁をオンサイトする登りについては、同じことは言えません。あれはすごく楽しいです。実際、スペインでは、特にSiuranaで、毎日新しくて違うルートをオンサイトで試すことだけに取り組みました。これまでにないほど楽しめましたし、頭をリセットして、新しい競技シーズンを最高の形で始めることや、トレーニングへの適切なモチベーションを取り戻すことにも役立ちました。
素晴らしくて、とても楽しい休暇でした。ストレスも、もどかしさもなく、ただ登りと友人との日々を楽しむための時間でした。同じ選択を、あと100回でもしたいです!
旅と言えば、Flatangerへボルダリングにも行っていますね。あの辺りには、どんな課題がありますか?
ノルウェーは最高です。あんなに北まで行ったのは初めてでしたし、景色もすごいです。2020年の夏に友人たちと行きました。いくつかルートを登るためでもありましたが、何より、その前の数か月にInstagramで見つけて、皆が文字通り夢中になっていた課題を試すためでした。
あの有名な洞窟だけでなく、ものすごく強いノルウェーのクライマー、Thilo Schroterが周辺にいくつかのボルダリングエリアを開拓しています。エリア全体の特徴は、硬い岩と指の力が必要な課題です。ラインは少ないですが、驚くほど純粋で、独特の形をしています。残念ながら簡単な課題は不足しています。僕の考えでは、7Cを超えるととても楽しめますが、可能性はものすごく大きいですし、今後もっと簡単な課題も掃除されて初登されると確信しています。Thiloがまとめた情報とトポは、すべて27cragのアプリで見られます。
もっと有名なVingsandも含めて、間違いなく今後また戻るエリアです。それに、ノルウェーは皆が思うほど高い国ではまったくありません。スーパーで値段に気をつければいいだけです! ;)

写真 Giovanni Danieli/ Davide Terenzi, FASI flickr
あなたはLa Sportivaのアスリートですね。大会と外岩のボルダーの両方で使うシューズを一足だけ選ぶとしたら、どれにしますか?
難しい質問ですね。アドバイスするうえで唯一客観的な基準になるのは硬さです。その点で最も汎用性のあるシューズはSqwamaで、室内でも外岩でも、80%の場面で僕が選ぶものでもあります。小さくて精密な足置きでも信頼できますし、荷重をかけるとボリュームのような大きな面にもなじみます。しかも、長く使える耐久性の高いシューズです。今のところ、間違いなく僕のいちばんのお気に入りですね!
日曜日の大会の終わりに、今年の目標について、とても率直で明確に話していましたね。競技では何を目指していますか?外岩にも目標があれば教えてください。
国内では、精神的にも身体的にも、この流れを続けていきたいです。予定されているすべての大会で、その両面を最大限に発揮しようと思っています。国際的には、結果がそれに見合うものであれば、ナショナルチームに選ばれて、一つ以上のワールドカップに出られたらと願っています。
外岩では、本格的なプロジェクトは春か夏まで待つと思います。競技シーズン中はいつも難しく、トレーニングと皮膚の管理の面でもそうです。特に皮膚の状態は、大会で100%のパフォーマンスを出したいなら欠かせない要素です。天気のよい週末にしか試せない難しいプロジェクトに、時間を使えるようにしたいですね。ジムでの専門的な準備のために週末の日を犠牲にすることもよくあります。でも、それを犠牲と呼べるのなら、いつも喜んで払う犠牲です。
編集部注:このインタビューでは、原文の表記「Sqwama」と「27crag」を残しています。言及されているモデルはLa Sportiva Skwamaで、トポサービスの名称は27 Cragsです。
室内写真 Giovanni Danieli/ Davide Terenzi, FASI flickr











