Pete Whittakerに聞く:Crown Royale、トラッドクライミングとそのリスク

アーカイブ、2024年3月:Peteは2023年の登攀について語っています。旅や今後の計画に関する回答は、インタビュー当時のものです。

現在のクライミング界では、異なる種目やスタイルがかつてないほど交わっています。わずか10年ほど前には、それぞれがまったく別の道を進むと思われていました。Alessandro Lambertiも『Jollypower vol.2』の「スポーツ・ボルダリング」の章でこの変化に触れています。数年前なら、ボルダリング愛好家が時にはマルチピッチを楽しみ、スポートクライマーがアイスクライミングに挑むようになるとは、ほとんど想像されなかったでしょう。

 

 

Lamb of God 5.14を登るPete Whittaker、写真:Tom Randall

Lamb of God 5.14を登るPete Whittaker、写真:Tom Randall

 

 

変化し続け、だからこそ成長するこの垂直の世界では、特に若い世代で、一つの種目だけを専門とする人は少なくなっています(競技の世界は別として)。もちろん例外もあり、トラッドクライミングにはその顕著な例が見られます。大きな成果を得るために経験が欠かせないこの分野では、自分の能力と限界をより正確に把握することが最優先となり、全力で取り組む必要があります。

 

 

Pete Whittakerは現代のトラッドクライミングを代表する一人です。ノルウェーで初登した最新のトラッドルート、Crown Royaleもその名にふさわしく「王者級」です。難度だけでなく長さも並外れ、まるで「ごく普通の100メートルのシングルピッチ」であるかのように登りました。Crown Royaleは、Peteが以前ノルウェーを訪れた際に登った既存の二つのルートをつないだラインです。このスタイルで登るために80メートルのロープを使い、最後はロープをほどいて残りの20メートルをフリーソロで登りました。 Peteはこのルートに9aというグレードを提案しています。認められれば、Crown Royaleは世界で最も難しいトラッドルートの一つとなります。この驚くべき登攀について本人に聞きました。

 

 

写真:Patagonia / Andrew Burr

写真:Patagonia / Andrew Burr

 

 

Pete、ブログに登場していただきありがとうございます! まず、お元気ですか? 今はどこにいますか?

 

ありがとう! アメリカでのクライミング旅行がそろそろ終わるところです。冬を家で過ごすために帰るまで、あと数日あります。

 

 

Profile WallがあるJøssingfjordで、「キングライン」と呼ばれるCrown Royaleを初登したニュースを皆が読みました。冒頭で触れたように、既存の二つのラインをつないだ100メートルのピッチです。最初からワンピッチで試すつもりでしたか。それとも、ビレイやロープの扱いに難しさがあると分かってから、そう考えたのですか?

 

はい、ライン全体を登るのは最初から目標でした。初めに短い二つのピッチとして登ったのは、各セクションを練習し、やがて全体をつなげるためです。実際には、ロープの扱いは結局それほど問題ではありませんでした。右への短いトラバースを除けば、ラインはほぼまっすぐ上に伸びています。上部ではロープがかなり重くなりますが、登りは徐々に易しくなるので十分対応できます。 

 

 

写真:Mike Hutton

写真:Mike Hutton

 

 

最後の部分はロープの保護なしで登りました。フリーソロは最初から妥当で理にかなった選択だと思っていましたか。それとも、そうするしかなかったのでしょうか?

 

ロープをほどいて頂上まで単独で登った部分は、とても易しかったです。本当に、とても易しい場所でした。最初からそのつもりでしたし、問題はありませんでした。以前にもフリーソロで何本か登っているので、ここで易しい部分をそうやって登ることは、大きな問題だとは思いませんでした。 

 

 

では、成功した試み以外にも、最後の部分をフリーソロで登ったことがあったのですね? 

 

先ほど言ったように、ロープなしで登った部分は本当に易しく、まったく問題ではありませんでした。もちろん、そのセクションは以前に試し、登っていたので、何が待っているか分かっていました。

 

 

別のCrown Royaleのインタビューでは、このルートは純粋なクラッククライミングが50%、フェイスクライミングが50%だと話していました。同じようなスタイルの場所は世界のほかにもありますか。それとも、本当に独特なのでしょうか?

 

はい、そのとおりです。登りは二つのスタイルがほぼ半々です。一般的なクライミングとクラッククライミングの両方に習熟していることが役立ちます。例えば、あらゆるジャミングが求められるアメリカのはっきりしたクラックとは、かなり違うスタイルだと感じます。一方で、花崗岩のトラッドルートには二つのスタイルが組み合わさったものが世界中に数多くあります。Profile Wallだけに見られる特徴ではないと思います。

 

 

写真:Patagonia / Andrew Burr(2)

写真:Patagonia、 Andrew Burr

 

 

これほど長いルートなら、持久力だけでなく精神力も相当試されるはずです。精神面にはどのように対処しましたか?

 

方法は二つあります。一つ目はペース配分です。難しいセクションでは素早く効率的に動きながら、疲れ切らないよう、いつ速度を落として休むべきか見極めます。二つ目は呼吸です。登攀が長いので、しっかり呼吸することが、リラックスして集中を保ち、壁にいる間ずっと十分な酸素を取り込むために欠かせません。

 

 

最近見た動画Lords of Tradでは、チェコのトラッドクライミングを「ハードコア」と表現していました。落ちることを想定できないほど繊細なスタイルに、どう向き合っていますか。それによって、自分の限界に対する捉え方も変わりますか?

 

はい、チェコのような場所では、何度も落ちるわけにはいきません。自分の能力をよく理解することが極めて大切で、おそらく最も重要な点です。何ができ、限界がどこにあるかを知り、必要なら引き返すことを恐れない。それが安全につながります。そうした認識は、過去の経験から学んでこそ身に付きます。

 

 

では将来の話をしましょう! 近いうちにまた出発しますか?

 

ちょうど今回の旅が終わるところなので、冬は家で少し休み、春に備えるつもりです。ここ数か月は自分のプロジェクトに取り組んできて、精神的にもかなりのエネルギーを使います。燃え尽きないためには、時々休むことも必要です。

 

 

Pete、ありがとうございました。またお会いしましょう!

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