2021年4月21日付のイタリア語記事のアーカイブです。2021年に開催されたTokyo 2020オリンピックまで、当時はあと約90日。私たちはみんな「Tokyo ON」モードに入りたくてうずうずしていました。直前のMeiringenでのボルダーワールドカップでは、なんと日本選手4人が男子決勝に進み、そのうち2人がメダルを獲得していたのですから。
各ボルダーの後にお辞儀をするTomoaki Takataに心を奪われた私たちは、日本選手の大会への向き合い方、なかでも「現地ならでは」の応援についてもっと知りたくなりました。東洋の世界についての豊富な知識を頼りに、というわけで、当時のイタリアの読者に覚えてほしい五つの言葉を紹介します。自国の代表選手を開催国の言葉で応援し、もちろんスポーツマンシップをもって、ほかの選手にも声援を送るためです!
Gamba!
日本語を一語知っている人なら、普通は「arigatō(ありがとう)」でしょう。でもクライマーの友人に尋ねると、きっと「Gamba」と答えるはず。「ganbatte(がんばって)」や「ganbaru(がんばる)」にはそれぞれ違うニュアンスがあり、外国語でひと言に訳すのは簡単ではありません。辞書形のganbaruは、おおよそ「努力する」「全力を尽くす」「困難に負けずに踏ん張る」という意味です。つまり、二本指のポケットが並ぶスラブでも、三段跳びに大きな体の振られまで加わるダイナミックなムーブでも、大切なのは諦めずに力を尽くすこと。励ますときに使う「ganbatte」は動詞のて形で、命令形は「ganbare(がんばれ)」です。クライマーの応援では、くだけた「Gamba, Gamba」という声も聞かれます。「ganbatte ne(がんばってね)」も励ましの表現です。
Omedetō
さて、「omedetōをどう訳すか」が問題です。大学の卒業論文に、さらに専門課程まで付けられそうなテーマですが、ここでは手短に。イタリア語の原文では、イタリア語以外の表現を例に考えてみました。Instagramのスペイン語のコメントに親しんでいるなら、ルートを完登したあとに「enhorabuena」が延々と並ぶのを見たことがあるでしょう。イタリア語話者の耳には、直感的に「alla buon’ora」、つまり「やっとだね」といった言葉を連想させるかもしれませんが、本当の意味は別です!どの言語にも「おめでとう」を伝える独自の言い方があり、そこには何世紀にもわたる言葉と文化の発展が込められています。もちろん日本語にも文脈によるニュアンスはありますが、この話だけでTreccani百科事典を一冊書かずに済むよう、基本は「祝福の言葉」と考えましょう。原文の冗談めいた「buona la prima」、すなわち「一回目でうまくいったね」はお祝いの雰囲気を連想させるものの、omedetō自体に「最初の挑戦で成功した」という意味はありません。
Ike ike
辞書形の動詞iku(行く)からできるikeは、「行く」の命令形で、応援にも使われます!英語の「go go go」、イタリア語の「dai dai dai」、フランス語の「allez, allez, allez」のようなもの。最後の掛け声は、すっかり国際的な「alè alè alè」にもなりました。日本語ではひらがなの「いけいけ」、あるいは動詞の漢字を使った「行け行け」と書けます。原文の説明を補うなら、ひらがなは表意文字の集まりではなく、音節を表す文字体系です。「私たちを信じて!」というのも、元の記事らしい軽いひと言ですね。
Naisu da yo
週末のInstagramの大クイズにできそうな話です。まずは「da yo(だよ)」。この部分によって表現がくだけた、伝える内容をはっきり示す調子になります。「yo(よ)」は、相手に何かを知らせたり、注意を向けたりする文末の助詞です。残るのは「naisu」。最後の母音がとても弱く聞こえることもあります。そう、英語の「nice」を、主に外来語を書くためのカタカナで表した「ナイス」です。言葉の働きとしては、英語の「nice, man」を思わせますが、日本語の表現に「man」に当たる語が入っているわけではありません。勝利をたたえるときにも、期待した結果には届かなかったものの、よく戦った大会をねぎらうときにも使える褒め言葉です。
Noboru / Climbing
Noboruは「上へ行く」「登る」を意味する日本語の動詞ですが、ここは注意!山にも、木にも、ほかの高い場所にも使え、登山専用の言葉ではありません。日本の伝統的な活動にも、この言葉が出てきます。Caroline CiavaldiniとJames Pearsonが滝でのクライミングを探求した有名な旅を通して、私たちはSawanoboriを知りました。sawaは渓流や小川、noboriは登ることを指します。一方、2021年のオリンピックで私たちが見ることになるのはスポーツクライミングで、英語の「climbing」とも呼ばれる競技でした。英語を日本語の発音に合わせ、カタカナで「クライミング」(kuraimingu)と書きます。日本語に馴染みのない当時のイタリアの読者には、発音できそうにない言葉に見えるかもしれない、という原文のユーモアです。
それでは……ike ike ike!Tokyoのオリンピックまであと約九十日だった2021年4月、こんな気分で大会を待っていたのです!











