女性クライマーの筋肉量の発達:Maddy Copeに聞く

2021年3月25日に公開したアーカイブのインタビューです。回答は、当時の状況におけるMaddy Copeの考えを伝えています。

編集部より:筋肉量、トレーニングへの反応、けがのリスクには個人差があります。集団間の違いだけで個人のリスクを予測することはできません。月経周期と膝の前十字靱帯損傷との関連については、研究上の根拠が限られており、その関連をクライミングのあらゆるけがにそのまま当てはめることはできません。インタビューで挙げられている運動は一例であり、自分の経験や身体の状態に応じて検討するものです。

ここ数週間、Maddy Copeを迎えて、トレーニングやクライミング、女性に焦点を当てたときに何が変わるのかを話してきました。今回は、筋肉量の発達とけがについて、さらに詳しく聞いてみます。

同じレベルで登る女性と男性でも、筋肉量に明らかな違いがよく見られます。ボルダリングでは、それが決定的な役割を果たすと思いますか?

女性は筋肉量の割合が低い傾向がありますが、一般に体重も軽い傾向があります。軽いということは、支えなければならない体重が少ないということです。私の経験では、本当にさまざまな体格の人が、とても高いレベルで登れています。そこがクライミングのすばらしいところの一つです。技術と心理面は、純粋な筋力と同じくらい大切な役割を果たします。

とはいえ、ボルダリングについて言えば、純粋な筋力が差を生む場合もあるので、筋肉量にはやはり重要な役割があると言えます。あるムーブで筋肉を少し増やすことが役立ちそうだと女性クライマーが感じたら、例えば追加の負荷を使うトレーニング期間を設けるなど、その方法を計画に取り入れ始めるのにちょうどよい時期なのかもしれません。

Lattice Training

ウェイトトレーニングは、どのような場合に役立ちますか?

ウェイトを使う利点は、特定の筋群に集中できることと、強度を簡単に把握して継続的に高めていけることです。実際、各セッションでどれだけ負荷を追加するか、あるいはセット数と反復回数をいくつにするかを、計算して決められます。そのため、必要な部位に少し筋肉をつけることができるのです。

ボルダリングをする人、とりわけ女性は、例えばフラットベンチプレス、ダンベルを使うIYT Reverse Fly、加重懸垂などで上半身の筋肉を少し増やすことで、大きく進歩することがあります。同じように、脚の力、ひいては足で押す力を少し高めるために、デッドリフトのような運動を検討することもできます。

こうした運動で筋肉を増やしたいなら、しっかりとした負荷を使う必要があります。正しい動作や適切な負荷の調整を手伝ってくれるパーソナルトレーナーなどがいれば、もちろんそのほうがよいですね。

Maddy Cope

ただ、追加の負荷を使うトレーニングでかなり起こりやすい体重の増加に、少し抵抗を感じる女性クライマーもいますね……。

そうですね。女性らしくないと感じたり、体重を増やしたくなかったりして、こうしたトレーニングへの意欲があまり湧かない人もいます。見た目だけで考えるのではなく、自分の体のさまざまな筋肉が果たす機能を大切にできれば、筋肉を前向きに捉えられるようになると思います。

筋肉は力を発揮するために必要ですが、正常な代謝や全般的な健康にも欠かせません。30歳以降は、とりわけ女性にとって、筋肉量を増やし、維持することがだんだん難しくなります。だから、筋肉が多いほど、閉経前と閉経後の時期にも健康に登り続けるための備えが整うのです。

Lattice Training

小柄な体格と、けがをしやすいことには相関があるのでしょうか?

女性のけがを考えるときには、多くの生理的な要因が関わります。以前にも話しましたが、男性は女性より速いペースで筋肉量を増やします。筋力はけがへのよい対抗手段なので、この観点からは女性のほうがけがをしやすいと考えることができます。

前の記事でも話した女性ホルモンのエストロゲンは、関節や軟部組織の弛緩に重要な役割を果たします。つまり、女性にはより大きな関節の緩みがあり、その程度は自然なホルモン周期の中で、また妊娠や授乳に伴って変化することがあります。

いくつかの研究では、女性サッカー選手にACL損傷がはるかに多く、排卵期には膝の緩みが増すことが示されています。スポーツ界がトレーニングのこうした面を詳しく調べるようになれば、ホルモン周期に関わる要因を考慮するだけでも、女性のけがの割合が大きく減ることを期待できると思います。

Maddy Cope

クライミングについてはどうですか?

クライミングでは、特に肩やローテーターカフの緩みに関わるこうした点を考慮し始めることが、よい出発点になるかもしれません。女性が肩や腕をけがしやすくなる別の要因には、小柄な女性クライマーにとってのホールド間の距離があります。状況や姿勢によっては、けがをしやすくなることがあります。筋肉が伸びた状態で働くときに、その筋肉を強化するのはよい考えかもしれません。例えば、肩幅より広く両手を離して行う懸垂などです。

いずれにしても、適切なトレーニング、目標の確認、自分がどう感じているか、普段の行動など、けがを避ける助けになる要因はほかにもあると思います。

トレーニングをしすぎて肩が痛くなったら、私たちはどうしますか?そのままトレーニングを続けますか、それとも休みますか?セッション間の回復と休息が果たす役割を理解することが、決定的に重要だと思います。

¥ JPY