岩場でのコミュニケーションでクライミングの危険要因を減らす

アーカイブ — 2018年11月14日公開の記事。

岩場やジムでビレイをするとき、自分の役割は、だいたいロープを送り出したり、たぐり寄せたりすることだと思いがちです。しかし、実際の経験を積むにつれ、危険につながる要因はさまざまで、必ずしも今まさに起こりそうな墜落だけに関係するわけではないと分かってきます。こうした状況を理解し、パートナーに知らせることは、より安全で落ち着いたクライミングにつながる場合があります。



ここでは、登る人とビレイする人のコミュニケーションに関わる要因だけを取り上げます。岩場で必要なあらゆる注意事項を網羅するものではありません。それらについては、イタリアの山岳ガイドのサイト(イタリア語)やCai Milanoなどの専門サイトを参照してください。



もちろん、登り始める前には、結び目とハーネスの締め具を二重に確認したか、お互いに確かめることが大切です。また、ビレイデバイスに対するロープの通し方も、繰り返し確認しましょう(Partner Check(イタリア語)というPetzlの項目を参照)。では、これで登り始めてよいのでしょうか。いいえ。登る前にパートナーと一緒にルートを観察することで、難しそうな箇所、ボルトの間隔が広そうな箇所、ダイナミックなビレイがより役立ちそうな箇所、逆にロープを適度に張っておく方がよさそうな箇所を把握できる場合があります。クイックドローにロープを通すことになりそうな位置を一緒に確認すれば、急にロープを送り出す必要が生じても慌てずに済みます。ホールドがまったくなさそうな箇所を事前に知っておくことも、墜落の衝撃を和らげる必要がありそうだと警戒することにつながります。



特に、このパートナーと長年一緒に登っているわけではないなら、まず「同じ言葉で理解し合っているか」を確認しましょう。例えば「オーケー」が何を意味するのか、はっきりさせておきます。「このよいホールドで休むから、ロープは張らないで」という意味なのか、「疲れ切ったのでロープにぶら下がるから、支えて」という意味なのか、それとも「まだ十分余力があるので、このよいホールドでも止まらず進むから、ロープを出して」という意味なのか、ということです。



ルートを観察し、さまざまな点を確認した後には、ビレイヤーにとって特に難しい段階のひとつである、最初のボルト周辺の登りが待っています。歴史のある岩場には、最初のボルトまでの登りがひと苦労な場所もあります。最初の支点にクリップする前は、スポッティングが墜落による影響を減らすことに役立つ場合がありますが、こうした技術には専門的な指導が必要です。一方、最初のボルトが地面から無理のない距離にあり、簡単にクリップできる場合には、登る人の邪魔にならないよう、岩の近くにいながら横へ移動することがビレイヤーの役割になります。自分と最初のクイックドローの間に張られたロープは、登ろうとしている人にとって本当の核心以上の障害になることがよくあります。同じように、横に位置することは、クライマーが最初と次のボルトの間で墜落したときに、自分の頭上に落ちてくる危険を減らすことにつながる場合があります。



最初のクリップ付近でよく起こる別の危険要因は、クライマーと直前にクリップしたクイックドローの間のロープではなく、最後のクイックドローとビレイヤーの間のロープをクリップしてしまうことです。多くの人が考えるのとは違い、これを確認することもビレイヤーの責任です。この間違いに気づいたら、すぐにパートナーに知らせ、正しい側のロープを取るよう伝えましょう。



リードで登る人にとって特に危険な状況のひとつは、脚がロープと岩の間に入ってしまうこと、つまりロープが膝の後ろを回っている状態です。その状態で墜落すると、頭が下になる危険が増す場合があり、好ましい状況ではありません。多くの場合、クライマー本人はこの間違いに気づいていませんが、ビレイヤーにはよく見えるため、明確な言葉ですぐにパートナーへ知らせる必要があります。



この種のスポーツでは、指導者による専門的な指導が欠かせないことを、いくら注意書きで伝えても十分とはいえません。また、各ビレイデバイスには、それぞれの取扱説明書と、正しい使い方を示す公式動画がインターネット上にあります。ここでの助言は、こうしたビレイ技術を身につけるために、すべてのクライマーが資格を持つ指導者とともに取り組むべき学習と練習の過程の一部として受け止めてください。この記事は、必要な事項を網羅するものでも、スポーツクライミングのビレイに関する専門的な指導に代わるものでもありません。その指導では、資格を持つ指導者とともに、自分の能力を確認する必要があります。



Arrampicata sportiva in falesia

Foto di Michela Jacod



2018年11月14日

¥ JPY