摂食障害とクライミング:Dr. Guido D’Acutiに聞く

2021年3月14日に公開されたアーカイブ記事です。回答に登場するドキュメンタリー、電子書籍、問い合わせの条件は、当時の状況に基づいています。

Lightは、プロの女性クライマーの拒食症という、とても繊細なテーマを扱った、最近公開されたドキュメンタリー映画です。Caroline Treadwayが制作したこの作品は、Angie Payne、Emily Harrington、そしてクライマーのKai Lightnerの経験を具体的に描き、アマチュアのスポーツ愛好家や、思春期に入る前とその時期の多くの少女にも見られる摂食障害に光を当てています。

Dr. Guido D’Acuti(イタリア語のサイト)には、これまでもスポーツ心理学に関するさまざまなテーマについてお話を伺ってきました。クライミングにおける摂食障害のいくつかの側面を理解するうえでも、適任の方です。ご自身のサイトから無料でダウンロードできる電子書籍『Il Piacere del cibo』では、若い世代の拒食症について紹介しています。この本をきっかけに、より「スポーツ」に焦点を当てた視点から、このテーマを掘り下げていきます。

おはようございます、Guidoさん。またお話を伺えてうれしいです! 最近Lumignanoに行かれたそうですね。いかがでしたか?

とてもよかったです! 少し勘が鈍っていましたが、本当に必要な時間だったと思います。岩は、心の健康に関して驚くほどの力を発揮してくれます。いつもながら、心理学の視点から基本的な考えを皆さんや読者と共有する機会をいただき、本当にありがとうございます。

クライマーであり、摂食障害の分野で長年の経験を持つ心理の専門家でもあるあなたにとって、ドキュメンタリーLightが取り上げる問題は、きっと意外なものではないでしょう。クライミングでは、ほかのスポーツ以上に、体が軽ければ、ある種類のルートをよりスムーズに登れると考えがちかもしれません。どう思われますか?

身体的な軽さよりも、ほかの側面に目を向けるべきだと思います。体が軽く、調子がよいと感じることが役立つのは確かですが、もっと大切な面を重視する必要があります。心の落ち着き、技術、パフォーマンスです。身体が重要な役割を果たすのは間違いありません。ただ、登るためには何が何でも痩せていなければならない、という悪循環に陥らないことが肝心です。スポーツやクライミングを、健康や心身の充実にとって意味のある時間として考えるべきです。スポーツは、自分が心地よくなる経験として行うものであって、痩せるため、体重を増やさないため、あるいは体重を減らすための手段として行うものではありません。クライミングやスポーツ全般が食との関わりに問題を生じさせるなら、いったん立ち止まって考え、再び心のバランスを見つけることに取り組むことが大切です。

ドキュメンタリーでは、選手たちが食事不足の悪い面を語る一方で、その道を進み続けるきっかけとなった成果についても話しています。ただし、全般的な身体の健康のために払う代償はかなり大きいものでした。クライミングでこの問題が広く見られる原因の一つは、すぐに得られるように見える利益にあると思いますか?

間違いなくそうです! 直後には、食べないことで、逆説的に調子がよくなったと感じます。頭がすっきりし、疲れを感じず、何でもできるような感覚になります。問題は、当然ながら、長い期間で見たときにあります。まず、規則的な食事に戻れなくなり、さらに、食べないことによる逆説的なよい効果も、少しずつ感じられなくなっていきます。普通の状態に戻るには大変な苦労が伴います。心の中では、考えが規則的に食べることとは反対の方向へ向かい、罪悪感や相反する感情を生みます。

編集部注:回答で述べられている活力や頭の明晰さの感覚は主観的なものであり、断食に利点があることを示すものではありません。食事が不足すると、短期間でも健康を損ない、疲労や集中力の低下を生じることがあります。食との関係について不安がある場合は、専門家に相談することが大切です。

ドキュメンタリーの一言を先に紹介します。Angela Payneは、ボルダー課題で自分の強さを感じるほうが、体の軽さを感じるよりも、はるかに満たされると語っています。女性クライマーが、自分の目標に到達するにはほかの方法もあると、より意識できるようにするには、どのように方向を変えていけるでしょうか?

食の分野での最初の一歩は、喜びに取り組むことです。360度にわたる喜びであり、スポーツにも広がることで、「強さ」へと変わっていく必要があります。喜びは独特の働きを持ち、多くの場合、努力や力とは結び付けられていません。それに対して、私が伝えたいのは、食事でもスポーツでも、喜びを味わい、探し求めてほしいということです。どんなスポーツの動作でも、高いレベルであっても、大きな成果へ導くのは、意欲と喜びの心理的な側面です。

映画の中でも特に興味深い場面では、体重を減らす「罠」が、気付かないうちに進んでいく過程として描かれています。最初は、多かれ少なかれ意識的に、帰宅が遅くなりすぎて、そのまま夕食を抜くようになる。そして、バックパックに食べ物を入れずに岩場で長い一日を過ごすことや、ほかの「小さな行動」が続き、それらが積み重なって、とても危うい状況につながります。友人や親として、こうした目立ちにくいサインに早めに気付くことはできると思いますか?

まさにそのとおりです。逆説的ですが、自分たちで作り、その後抜け出すのに苦労する罠なのです。何が起きているかを理解する手掛かりとなるサインはあります。例えば、食卓で非常にゆっくり噛むことや、食べた後すぐにトイレへ行くことです。後者では、自分で嘔吐を引き起こして食べ物を吐き出しているかもしれません。また、大量の水を飲むこともあります。満腹には感じられても、実際には栄養になりません。

スポーツは、食事で摂ったカロリーを消費する手段になることがよくあります。しかし、身体活動が食べない理由になってしまうと、罠を本当に抜け出せないものにしてしまう危険があります。このような状況で、私が心から勧めるのは、いつでも専門家に相談することです。問題を深く理解していて、変化への過程を始める手助けをしてくれる人と話してください。摂食障害についての電話を受け、価値がある、少なくとも役立つと思う助言をしながら、相談者を導くこともよくあります。食に関する問題を抱える家族がいるなら、専門家に助言を求めることをためらわないでください。電話相談には費用がかからず、正しい方向へ進むための大切なきっかけになることがあります。

直接その状況にある選手たちは、常にそれを自覚していると思いますか。それとも、初めはほとんど無意識の仕組みが働くのでしょうか?

これほど複雑な状況を自覚することは簡単ではありません。最初は確かに無意識の過程であり、残念ながら、いったん「罠」ができてしまうと、抜け出すのが難しくなります。私が行う心理療法では、基本となる考え方を取り入れています。まず、食べ物と自分の感情の関係への気付きを深めることから始めるのです。それが、食習慣のバランスに向けて変わっていく旅の出発点です。

Guidoさん、いつもながら、お考えを聞かせてくださりありがとうございます! またお会いしましょう!

こちらこそ、ありがとうございます。次のインタビューでまたお会いしましょう!

このテーマをさらに知りたい方は、こちらから映画へ、また、こちらのDr. Guido D’AcutiのInstagramページ(イタリア語)へアクセスできます。

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