2021年12月のアーカイブ記事です。初めて装備をそろえるクライマーがクライミングシューズについて相談すると、相反するアドバイスを受けることがあります。好み、登り方、足の形によって、同じモデルでも感じ方は変わります。また、素材や構造の進歩がアドバイスに反映されていない場合もあります。
この記事では、クライミングシューズを買うときによく聞く6つのアドバイスを取り上げます。どれも、自分の用途や必要な特徴に必ず合うとは限りません。

SCARPA Veloce
履き心地なら「絶対に革製モデル」
以前は、革製と合成素材のシューズをはっきり分け、革製だけが痛みを抑えられる選択肢であるかのように語られることがありました。しかし、各ブランドはさまざまなパーツ、伸縮性のある部分、素材の組み合わせを開発しており、合成素材のアッパーでも快適にフィットするモデルがあります。履き心地は素材だけでなく、モデルの形、ボリューム、構造、サイズが足に合っているかで変わります。快適さを最優先する場合も、最初から合成素材を候補から外す必要はありません。
「最低でも8サイズ小さくする」
これは、「3回履けば伸びるから」と、ほとんど我慢できないほど小さいシューズを買うアドバイスを、あえて極端にした表現です。履き慣らしには一律の決まりがありません。革、合成素材、ライニング、ラバーの被覆、テンションシステムによって、フィットの変化は異なります。痛いほど小さいサイズを、必ず伸びるはずだと考えて選ばないでください。足に密着するシューズでも、痛みや過度な締め付けなく、足をしっかり使えることが大切です。モデルのサイズ表とフィットの案内を出発点に、複数のサイズを試して感覚を確かめましょう。一般的なアドバイスに従うために、推奨サイズよりさらに小さくする必要はありません。

La Sportiva Mantra
「1つのモデルで何でも登れる」
あらゆる場面で使う1足を買うという昔からのアドバイスは、自分が実際に行うクライミングと照らし合わせて考えたいものです。技術と素材の進歩によって、用途に特化したモデルも増えました。平日のインドアボルダリング用と週末の岩場用を分けることで、それぞれに合った感覚が得られる場合があります。ただし、誰もが2足買う必要があるわけではありません。よくフィットする汎用モデルも合理的な選択です。別々のモデルが必要かどうかは、地形、登り方、個人の好みで変わります。
「フルソールだけを選ぶ」
初心者には一体型のフルソール、経験者には分割型のスプリットソールが勧められることがあります。経験を積む段階で、小さなフットホールド上の足を支える機能が役立つことはありますが、絶対的な決まりから選ぶ必要はありません。剛性はミッドソール、ラバー、テンションシステムにも左右されるため、ソールが分割されているだけで柔らかさや快適さが決まるわけではありません。非常に硬いモデルが合わないなら、より柔軟な構造を試し、実際に使いながらフィットとサポートを確かめる方法もあります。適切に休憩を取れば、足とふくらはぎを休ませられます。そのモデルが定番になるかどうかは、自分の経験から判断しましょう。

Evolv Zenist
「女性用モデルは小さい」
違いは、色と幅の狭さだけではありません。SCARPAのラインアップのように、標準とローボリュームのモデルを用意するものもあれば、男性用・女性用という名称を使うものもあります。モデルによって、内部のボリューム、ヒール形状、テンション、ラバー、剛性が異なる場合があります。ただし、すべての女性用が単に小さい、あるいは必ず柔らかいという決まりはありません。女性がユニセックスやボリュームの大きいモデルを好むことも、男性が柔らかいモデルやボリュームの小さいモデルを好むこともあります。性別の表示ではなく、自分の足へのフィットを基準に選びましょう。
「右足も左足も同じ」
左右の足のサイズには少し差があり、場合によっては半サイズほど異なることもあります。普段の靴では気にならない差でも、足に密着するクライミングシューズでは重要になる場合があります。両足を確認し、特に大きい方が痛いほど圧迫されないことと、もう片方でも適切にフィットすることを確かめてください。友人のシューズを試すときも、ジムでレンタルするときも、新しい1足を買うときも、必ず左右両方の足で試着しましょう。

これらのポイントを確認したら、オンラインショップのクライミングシューズコーナーもご覧ください!
カバー写真:Ocun Climbing。











