2021年5月のアーカイブ記事です。2021年は、クライミング用品の製造において持続可能性への配慮が一歩進んだ年でした。Edelrid、Mammut、Patagoniaなどのブランドは、こうした考え方を長年にわたって実践していました。当時発表された製品には、材料の使用量や無駄を減らすための新しい工夫が取り入れられていました。ロープの製造で余った未使用の糸、金属を使わずになめした革を用いるクライミングシューズ、コルクのような天然素材の選択など、その変化を示す例を紹介します。
メーカーのこうした意識を象徴する六つの製品を選び、アルファベット順に紹介します。ここで取り上げるモデルと取り組みは、2021年当時のものです。
Edelrid Tommy Caldwell Eco Dry
Tommy Caldwellは環境の持続可能性を大切にするクライマーで、彼の名前を冠したEdelridのロープには「Eco」バージョンが用意されていました。Edelridはbluesignの基準を意識しながら、ロープの製造技術に新たな工夫を取り入れていました。Tommy Caldwell Eco Dryの場合、撥水処理であるEco DryはPFCを含みません。これは、その処理に限った特徴であり、人や環境へのあらゆる影響がないという保証にまで広げて捉えることはできません。このモデルについては、売上の1%をPOW(Protect Our Winters)プロジェクトに充てるという方針も発表されていました。

La Sportiva Mythos 30
名作クライミングシューズMythosの30周年記念モデルは、初代Mariacherの色合いを思わせるライラック色に戻り、「eco」素材を採用したモデルとして紹介されました。La Sportivaの2021年の製品紹介では、metal-freeのなめし加工を施した革のアッパー、水性接着剤、そしてリサイクルされた部品について説明されていました。さらに詳しく知りたい方は、Mythos 30についての記事で詳しい説明をご覧いただけます。

Mammut We Careロープ
MammutのWe Careシリーズは、スイスの同社が資源に一層配慮した製造へと進む一歩を示していました。9.5 Crag We Care Classicのロープの外皮には、他のロープを製造する際の色の切り替えで余った糸が使われています。これらは新品の高品質な原材料で、クライミングに一度も使われておらず、本来なら廃棄されるものです。再利用されるのは、この外皮用の糸です。完成したロープは、メーカーが示す品質基準を満たしています。製造で生じる余剰材料を活用した例といえます。

Mammut We Careチョークバッグ
We Careのロープに加え、Mammutが提案するチョークバッグにも同じ考え方が見られます。ロープの外皮には製造で余った未使用の糸が使われ、一方、We Care Chalk Bagには他の製品の製造で余った良質な生地が使われています。こうした材料を回収して活用することで、製造の余剰材料を有効に使えます。ただし、バッグのすべての部品がリサイクル素材であることや、すでに使用された製品に由来することを意味するわけではありません。

SCARPA Maestro Eco
SCARPAも、材料の選択により注意を払うクライミングシューズの製造を提案していました。2021年に挙げられていたモデルにはMaestro Eco、Eco WMN、Mid Ecoがあります。Maestro Ecoについて、メーカーの製品紹介では、クロムを使わない革の三つのパーツを組み合わせたアッパーと説明されていました。これは、この構造に用いられた材料に限った特徴です。

SCAUAチョークバッグ
SCAUAは天然素材の選択に注意を払うスペインのブランドです。コルク製のチョークバッグシリーズは、特徴的な見た目と、この天然素材の使用を組み合わせていました。バッグ全体の生分解性を評価するには、裏地や付属品など、その他の材料や部品も考慮する必要があります。コルクが使われていることだけで、バッグ全体の生分解性が保証されるわけではありません。












